SKE48須田亜香里(30)の卒業コンサート「君だけが瞳の中のセンター」は、公演前から涙でスタートした。

公演開始前の影アナで「須田亜香里の卒業コンサート…」と話すと、早くも涙ぐんだ。「泣いてない、泣いてない」としながら、会場からは大きな拍手が寄せられた。

自身のカラーでもある、真っ赤なペンライトでファンに迎えられたオープニングで披露したのは、17年2月発売のアルバムに収録のソロ曲「今の私じゃダメなんだ」は笑顔でパフォーマンス。「恋を語る詩人になれなくて」では、後輩達を前面に、自らはデビュー当時の“定位置”だった最後列の端っこでダンスしてからセンターに移動するなど、自らのアイドル人生をなぞる演出を見せた。

中盤の「孤独なバレリーナ」では、純白のドレス姿で、5歳から18歳まで続けたバレエも披露。さらに、躍進の原動力となった選抜総選挙メドレーとして、「抱きしめちゃいけない」「恋するフォーチュンクッキー」などを歌った。

アンコールは、ピンクを基調とした卒業ドレスで、卒業曲「私の歩き方」を熱唱した。「こんなに大きな会場で、地元でたくさんの方に愛してもらったことを実感しながらここに立てていることを幸せに思います。SKEに入って、自分は1人じゃ何にもできないことを実感しました。みんなと一緒だから見られる景色がたくさんあったり、頼もしいスタッフさんがいると、こんなにアイドルらしくステージに立つことができるとか、本当にたくさんの人と出会ったから、30年の人生の中で13年も濃く過ごすことができました」と感謝した。

さらに「アイドルとしては限界に挑戦するアイドルだったけど、人生にきっと限界はないと思います。そんな無限な世界を味わっていきたい。いろいろなこととさらけだしてやってきたからこそ、これからも温かい時間を過ごせたら。私はみんなに会うと元気がたくさん出るので、これからも一緒にいてください」。

同期で盟友の木崎ゆりあ(26)も駆けつけ、花束を受け取った。最後は自らエレキギターを弾いて「前しか向かねえ」。さらに「君のことが好きなもんで」と笑顔を振りまいた。それでも最後はメンバーに「だーすー大好き!」と囲まれると、あふれる涙を止めることができなかった。

「コロナ禍で、本当はファンの皆さんのコールが戻るまで辞めないって言っていた。海外のみんなも来られない時に辞めてごめんね! でもみんなが愛してくれて、本当にありがとうございました! 幸せです。これからの人生の方が長い。しっかり歩いていくから…。1人1人と歩いてきたことは変わらない。みんな本当にありがとう!」。(LEDライトを一斉制御するペンライト)「フリフラ」で「I LOVE ダースー」の文字が映し出される中、ステージを後にした。

◆須田亜香里(すだ・あかり)1991年(平3)10月31日、愛知県生まれ。愛称「あかりん」「だーすー」。09年にSKE48の3期生として加入。シングル選抜27回で、20年1月に「ソーユートコあるよね?」で初センター。AKB48のシングル選抜も18回。14年からチームEリーダー。選抜総選挙は第2回(10年)から圏外→36→29→16→10→18→7→6→2位。現在、テレビ朝日「熱闘!Mリーグ」のほか、メ~テレ「ドデスカ!」、東海テレビ「スイッチ!」などでレギュラー。159センチ。血液型A。