AKB48本田仁美(22)が28日、東京・秋葉原のAKB48劇場で卒業公演を行い、グループを卒業した。

公演は、チーム8の「夢へのルート」で幕開け。序盤のあいさつで、倉野尾成美(23)から「(卒業公演が始まって)いかがですか?」と問われると「みんなの顔見たら…」と涙ぐむなど、ファンの歓声に感慨深げ。それでも「AKBとして最後の私を見てくれる場なので、笑顔で終わりたいと思います」と話した。

言葉どおり、「ハート型ウイルス」「思い出以上」「47の素敵な街へ」などを笑顔で披露したが、卒業ドレス姿で「ジワるDAYS」を披露すると、再び涙を流した。

本田は「私は、12歳の時に初めてこの劇場に立ったんですけど、加入して最初の夏休みの時には毎日通っていて、チーム8のみんなと合宿しながら過ごして、ステージに立つだけじゃなくて、ここで宿題をしたり、ロビーでみんなでおみそ汁を飲んだりとか…。“生活の一部”というか、思い出の場所です。劇場公演に立ちたくて、『私を見つけて!』という思いでずっとけなげに頑張っていました。こうして今日は私のために集まってくださった皆さんの中ですごく幸せです」とホームグラウンドへの思いを明かした。

さらに「いろいろなきっかけで私を好きになってくださったと思うんです。一番伝えたいのは、どんな瞬間でも、どんなに形を変えても、私を好きでいてくださって、愛してくださって、本当にありがとうございます。10年間、ずっと『AKB48の本田仁美です!』という自己紹介をしていたのが、明日からAKBと名乗れなくなってしまうのはすごくさみしいですし、心にぽっかり穴があいたような感じにもなると思います。でも秋元(康)先生の詞の世界観の中で、みんなと一緒にパフォーマンスできたということを誇りに、そして『元AKB』として恥じないように、これからも頑張っていきたいと思います。AKBでなくなる瞬間まで、最後の幕が閉じる瞬間まで、大好きな皆さんと一緒に過ごせること、うれしく思います」と話した。

また「順風満帆な10年間だったとは決して言えなかったと思います。本当に楽しかった思い出もたくさんあるんですけど、大変だったり、つらい思いをしたこともありました。アイドルという職業は皆さんに元気を与える存在なのに、いつも皆さんに励ましてもらっていました。どんな時も、どんな私も好きでいてくれて、味方でいてくれたからこそ、想像できなかった世界をたくさん見ることができました。今こうして幸せな卒業を迎えられているのは皆さんのおかげです。これからも末永く、AKB48、そして本田仁美をよろしくお願いします」と涙ながらに感謝。韓国語や中国語でもファンへの感謝の思いを伝え、その言葉に応えるファンの姿も劇場にあった。

徹底的な自己管理や、パフォーマンスへのこだわりと、自らを磨いてきて。そのストイックな本田の姿勢に、グループ最古参の柏木由紀(32)も「(ダンスなどを)17年で一番教わった人!」とたたえた。チーム8の初期メンバーは、14年4月6日のさいたまスーパーアリーナでのコンサートでお披露目。その日から3585日。当時12歳、中1になったばかりだった少女は、グループの顔となり、約10年のアイドル人生に終止符を打った。

◆本田仁美(ほんだ・ひとみ)2001年(平13)10月6日、栃木県生まれ。14年にAKB48チーム8の栃木県代表として加入。18年の選抜総選挙で82位にランクイン。同年、日韓共同プロジェクト「PRODUCE48」で第9位となり、21年4月までIZ*ONEの一員として活躍。シングル「元カレです」(22年)、「どうしても君が好きだ」(23年)でセンター。自身初のフォトブック「明日の向こう側」(宝島社)が発売中。