<AKB48前田敦子卒業公演>◇27日◇東京・秋葉原AKB48劇場

 前田敦子(21)が、「ラストサプライズ」でファンにあいさつをした。27日、東京・秋葉原のAKB48劇場で卒業公演後、劇場が位置するドン・キホーテ秋葉原店の2階バルコニーに衣装を着たまま登場。約916・38倍の抽選に漏れて公演を見れずも、前田の姿を一目見ようと隣接する道を埋めた500人以上のファンを喜ばせた。

 あっちゃん最後のサプライズは、終演30分後に待っていた。バルコニーに拡声器を持って登場し、「ありがとうございました」と頭をさげ、手を振り声援に応えた。隣接する田代通りを埋め尽くした500人以上のファンが大歓声をあげ、「あっちゃ~ん!!」と叫びながら一斉に跳びはねた。

 この日の卒業公演の応募倍率は、実に916・38倍。劇場の定員250人に対し、22万9096の応募があった。必然的に多くのファンが抽選から漏れた。ネット放送やテレビ中継も行われたが、「生」で前田のAKB48最後の姿を見ようと、多くのファンが劇場近くに集結した。

 前田もこの事態を予測し、以前から「ファンの方にぜひあいさつしたい」と関係者に思いを伝えていた。そして、劇場入りの際に前田が車両からファンにあいさつする「最後の劇場入りイベント」が決定。しかし、警視庁の指導などがあり、23日に急きょ中止になった経緯があった。

 バルコニーへの登場時間は、約2分間だったが、ファンの盛り上がりは一瞬で最高潮に達した。前田が「気をつけて帰ってくださいね」と呼びかけビルに入っても興奮は冷めず、警備員が帰宅をうながす中でも、歓声をあげ続けたファンも数多くいた。炎天下から待ち続けたファンにとって、最高のプレゼントとなった。

 公演のラストでも、「ここまでくることが出来たのは、一緒にステージに立ってきたメンバーと、ファンのみなさんのおかげです」と、ファンへの感謝の気持ちを伝えて締めくくった。ラストサプライズは、自分を支えてきてくれたファンに対しての、最大の恩返しだった。【横山慧】

 ◆前田敦子(まえだ・あつこ)1991年(平3)7月10日、千葉県生まれ。愛称「あっちゃん」。05年にAKB48の1期生オーディションに合格し、12月に公演デビュー。06年10月に「会いたかった」でメジャーデビューした。10年5月の「ポニーテールとシュシュ」まで、すべてセンターポジション。シングル26枚のうち、選抜は25回、センターは23回。選抜総選挙は09年の第1回で1位。以後2、1位。11年6月に「Flower」でソロデビューも果たした。ユニットの代表曲は「渚のCHERRY」など。161センチ。