アリアナ・グランデの元恋人でラッパーのマック・ミラーが、現地時間7日にロサンゼルス近郊の自宅で薬物の過剰摂取が原因で急死したと報じられました。2016年中頃から今年5月まで交際していたグランデの出世作「The Way」にフィーチャリングアーティストとして参加していた他、今年8月にリリースした最新作「Swimming」ではスヌープ・ドッグら豪華アーティストとコラボするなど将来を期待されていましたが、私生活ではかねてから薬物とアルコールの依存症と闘っていることを公表していました。26歳という若さでの早すぎる逝去にファンのみならず多くのアーティストがショックを受けていますが、最近も歌手デミ・ロヴァートが一命は取りとめたものの薬物の過剰摂取で意識を失って救急搬送されるなど、ハリウッドでは薬物過剰摂取によって命を落とすスターがあとを絶ちません。近年、薬物絡みで命を落としたスターたちをまとめてみました。

◆プリンス

「パープル・レイン」など数多くの世界的なヒット曲で知られるプリンスは、2016年4月21日にミネソタ州にあるペイズリー・パークと呼ばれる自宅兼スタジオのエレベーター内で意識不明で倒れているところを発見され、後に死亡が確認されました。57歳でした。所持品から処方鎮痛薬が発見され、死因は強力な鎮静剤フェンタニルの過剰摂取だったことが明らかになりました。フェンタニルは一般的に末期ガンの患者などに処方されるもので、モルヒネよりも50~100倍も強く、ヘロインよりも強力で中毒作用があることが指摘されています。腰痛に悩まされていたプリンスは、鎮痛剤として日常的にこの強い薬を使用していたと伝えられています。

◆フィリップ・シーモア・ホフマン

「カポーティ」(05年)でアカデミー賞主演男優賞に輝くなど個性派俳優として数多くの作品に出演してきたフィリップ・シーモア・ホフマンは、2014年2月2日にヘロインの過剰摂取が原因で46歳の若さで亡くなりました。ニューヨークの自宅のバスルームで腕に注射針が刺さった状態で亡くなっているところを発見されるという大変ショッキングな死で、自宅からは大量のヘロインや使用済み注射器が見つかっており、重度の依存症であったことが浮き彫りとなりました。

◆コリー・モンティス

ドラマ「glee/グリー」のフィン・ハドソン役で知られたコリー・モンティスは、2013年7月に薬物の過剰摂取のために31歳という若さで亡くなっています。死因は静脈注射によるヘロインの使用とアルコール摂取による混合薬物中毒と伝えられており、宿泊していたホテルの部屋からは注射器や空のシャンパンボトルなどが発見されたとのこと。15歳の頃にも薬物中毒で死にかけたことがあり、若い頃から薬物中毒に苦しんでいたといわれています。

◆ホイットニー・ヒューストン

グラミー賞授賞式を翌日に控えた2012年2月11日に宿泊していたビバリーヒルズのホテルの部屋で入浴中に浴槽でうつ伏せ状態で死亡しているのが発見されました。死因は心臓発作とコカインの使用による偶発的な溺死と発表されています。コカイン以外にもアルコールや処方薬なども服用しており、薬物の過剰摂取によって48歳でこの世を去ることとなってしまったヒューストンの愛娘もまた、15年7月に自宅の浴槽で倒れているのが発見され、大麻、コカイン、アルコール、鎮静剤などの薬物使用と溺水によって22歳という若さで亡くなっています。

◆エイミー・ワインハウス

21世紀を代表する歌手といわれたエイミー・ワインハウスは、11年7月に英ロンドンの自宅で亡くなっているのが発見され、検視の結果、死因はアルコール中毒によるものだと判明しています。ワインハウスは07年に結婚した薬物中毒だった元夫の影響でヘロインなどの薬物に手を染めるようになり、離婚後は悲しみを紛らわすためにさらにアルコール摂取量が増えたといわれています。長きにわたってアルコール依存症と闘ってきましたが、打ち勝つことはできなかったようです。

◆マイケル・ジャクソン

マイケル・ジャクソンは復帰公演を目前とした2009年6月25日に、ビバリーヒルズの自宅で強力な麻酔薬プロポフォールによる急性中毒で心肺停止となり、50歳の若さで亡くなりました。不眠症などに悩んでいたジャクソンは、通常は外科手術における全身麻酔として使用されるプロポフォールを睡眠導入のために点滴投与していたことが明らかになり、「キング・オブ・ポップ」の急死は世界中の人々に大きな衝撃を与えました。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)