連載「われら第7世代!~演歌・歌謡曲のニューパワー~」の青山新(21)の最終回です。芸名に託された思い、プロ級の模写の腕前、そして夢などについて、日刊スポーツ笹森文彦記者が迫ります。ファンから寄せられた質問にも答えていただきました。

きらめく木々を背に笑顔を見せる青山新(撮影・足立雅史)
きらめく木々を背に笑顔を見せる青山新(撮影・足立雅史)

芸名「青山新」は、所属事務所「芸映」の青木純一郎社長から「青」の1字をもらった。その3文字に託された思いは、青山が芸映創立60周年記念アーティストということもあって意味深い。「青々とした大きな山(=目標)に、いつも新しい気持ちで向かっていけるように」という思いが込められているという。

青山 先輩方は本名の方が意外と多いんですけど、僕は芸名が欲しいなと思っていました。「青山新」と聞いた時、今っぽくていいなと思ったのと、「新」という字を、演歌界に新しい風を吹かせるみたいに、自分で解釈しました。名前の影響もあって、常に新鮮な感じでいられるのかなって思っています。

演歌界の新風。令和という新時代の始まりとともに今話題の「第7世代」に当てはまる。

青山 何事も話題性が大事だと思いますので、(第7世代というくくりは)面白いなと思います。先輩はもちろんですが、そういった世代の方々ともご一緒させていただくと、勉強にもなるし、環境的にも恵まれている(世代だな)と思います。

根っからの音楽人で、起きてから寝るまで頭の中で音楽が鳴っているという。

青山 常に歌っていたいんです。先輩歌手のある楽曲が頭に浮かぶと、どうやって歌おうか、どう表現しようかと、研究じゃないですけど、常にそれを模索している感覚です。ここではこういう力の入れ方を、と考えていると、つい鼻歌になって出ちゃう。よく「のんきに鼻歌歌うな」って叱られてしまいます。その時は「すみません」と真摯(しんし)に反省するのですが、その後も歌は止めどなく頭の中に流れてくる。5分くらいしたら、また鼻歌歌っているので「本当に反省しているのか!」って。遊んでいるわけではないですけど…。

八代亜紀の大ファン。ある音楽番組で本人登場のドッキリを仕掛けられ、本番中に号泣したこともある。八代と言えば、画家としても有名で、フランスの世界最古の美術展「ル・サロン」の永久会員に認められるなど、その活躍は世界的。実は青山も、鉛筆1本で書き上げる模写はプロ級の腕前である。

青山新は鉛筆1本で書き上げる模写はプロ級。一番手前は自分自身の模写
青山新は鉛筆1本で書き上げる模写はプロ級。一番手前は自分自身の模写

青山 小さい頃から絵を描くのが好きで、大好きだったアニメ「ONE PIECE」の絵をずっと描いていました。何かのきっかけで模写(似顔絵)を描くようになったんです。似顔絵で一番最初に描いたのは自分の顔です。歌手デビューしてからは、先輩歌手の方々も描かせていただいています。模写ですから、オリジナリティーはないんですけど、中学の時は、市内の絵画展で大賞を取ったこともありました。習字も自己流だが見事な腕前だ。プロモーションビデオでも、その腕前を披露したシーンがある。

青山 習字も趣味でやっていて、資格も何も持っていないので我流です。字も絵を描くのと似ているところがあるんですよね。形をつくるというか、想像するという意味では共通するところがあると思うです。

青山新は書道の腕前も一級品
青山新は書道の腕前も一級品
青山新は新曲のために得意の書道の腕前を披露
青山新は新曲のために得意の書道の腕前を披露

四六時中、音楽が頭の中を巡るように、絵も書も青山の頭の中で独自に形成されているのだろう。非凡な才能である。

コロナ禍でなかなかコンサートなどができない状況が続いている。もちろんNHK紅白歌合戦出場や自身のリサイタルなど目標はいろいろある。だが今は応援してくれる方との1歩1歩を大切にしている。

青山 ファンの方、おひとりおひとりを大切にという、本当にあたり前のことを、あらためて感じます。先日、配信ライブをやらせていただいて、おはがきを募集したんです。はがきって最近はあまり主流じゃないように見られがちですが、本当にたくさんの応募をいただいたんです。それを実際に手に取って、重みや筆跡を感じて、ああ、これだけ多くの方が応援してくださっていると実感しました。まだデビュー仕立てでコロナ禍ですけど、しっかりと形として応援していただいているのが見えて感激しました。ファンの方がいて自分がいるんだと、当然のことなのですが、それを1年目で心底実感できたことは大きな収穫と思えるようになりました。

「青々とした大きな山(目標)に、いつも新しい気持ちで向かっていく」。「青山新」の3文字に込められた熱い思いは、間違いなく、1つずつ果たされていくだろう。

ギター練習中の青山新
ギター練習中の青山新

◆ファンからの質問

Q ジャンルを問わず今ハマっている曲があれば教えて(さきめろさん)

A 演歌だと川中美幸さんです。「ちょうちんの花」とかいいですよね。ポップスで言うと、あいみょんさんが好きで、よくドライブするので、ずっと流しています。

Q 新君デザインのグッズを販売してほしいです。デザインしてみたいものはありますか(Karin-S)

A グッズという話からはそれるんですけど、服が好きで、いつかプロデュースとか洋服を作ってみたいと思います。デザインも自分でやってみたい。服は個性的って言われたりしますけど、どうせ服を買ったり身に着けるのなら、人とかぶりたくないというのはあります。結構、柄物が好き

です。

Q インドア派ですか、アウトドア派ですか。休日の過ごし方は(あおさん)

A 難しいですね。性格的にはインドアなんですよ。あまり外出したくないタイプで、用事があるから外に出る感じ。でも結構、行動的にはアウトドアで、車があるので買い物とかは思い立ったら行かないと気が済まない。矛盾ありますよね(笑い)。例えば海に行って遊ぶとか人混みに行くのは好きじゃないんです。でも車で風を切ってドライブするのは楽しいんです。分かっていただけます?

Q アニメの中で,なりたいキャラクターはありますか(まっちゃあいす14さん)

A お~~!「ONE PIECE」にボルサリーノというキャラクターがいて光人間なんですよ。光速で移動できるんですよね。僕も光速で移動した~い!遅刻しないから。学生時代はしょっちゅうでしたが、実は歌手になってからもありまして(笑い)。すみません。自力で(遅刻しないように)頑張ります(笑い)。

Q ドライブ好きの新君、いつもどんな曲を聴きながら運転していますか(miitanさん)

A 先ほどのあいみょんさんもそうですし、結構ポップス系を聴いていますね。松任谷由実さんとか桑田佳祐さん、サザンオールスターズさん。昭和の曲が多いです。演歌はBGMにならないんですよ、聞き入っちゃって。

Q 最近の新君は痩せて大人っぽくなったので、もう「かわいい」は卒業でしょうか。イケメン、すてき、かっこいいなど(の呼ばれ方は)いかがでしょうか(あけみんさん)

A 最近イケメンとかおっしゃっていただけますけど、自分ではそう思わないんですよね。かっこいいねって言われるのは感謝の気持ちはありますけど、うれしいかというとそうじゃないくて、「かっこよくなったね」と言われるのがうれしいです。(仕事的に)それなりに磨かなければいけないというのがあるので、努力して、それでかっこよくなったというのは、結果が出ているということなので、うれしいです。

Q いろんな歌をさっと口ずさめる新君ですけど、歌はどんなふうに覚えていますか(どりみん♪さん)

A とにかく聴く、ですね。演歌だと3回聴けばメロディーは覚えられるんですよね。後は強弱だったり、間の取り方とか、常に頭の中で考えています。その考えることが楽しいんですよね。自分の歌にするというのが、僕としての楽しみです。人の歌であっても自分のオリジナリティーを大切にする。マネするところは、それをマネすると言うのか、盗むと言うのか、言い方で変わってくると思うんですけど、僕は盗むという意識ですね。

Q コロナ禍が落ち着いたら、最初に行きたいところがどこで、何がしたいですか(とめちゃん)

A そうですね。旅行には行きたいですね。友達4人ぐらいで。話はしているんです。広島とか北海道とか石川とかいろんな候補が出ています。海外だと台湾に行ってみたいです。海外まだ行ったことないんです!台湾ではアニメ映画「千と千尋の神隠し」の舞台となった場所に行ってみたいですね。

青山新のシングル「霧雨の夜は更ける」のジャケット
青山新のシングル「霧雨の夜は更ける」のジャケット

◆青山新(あおやま・しん)2000年(平12)5月30日、千葉県生まれ。サッカー少年だったが、美容院を営む祖母の影響で演歌に興味を持つ。中学2年の時に出場したカラオケ大会で関係者の目に留まり、作曲家水森英夫氏に弟子入り。約5年間の修業を経て20年2月5日に「仕方ないのさ」でデビュー。キャッチフレーズは「歌にまっすぐな19歳」。今年2月3日に第2弾「霧雨に夜は更ける」発売。趣味はサッカー、ギター、書道、クレーンゲーム機、ビリヤード。特技は模写。好きな歌手は八代亜紀、青江三奈、前川清、山本譲二。170センチ、55キロ。血液型O。

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