近年、宴会、会議、パーティーなどへの出席は苦痛で仕方がなく、かつ、1人になりたくて仕方がない性分であることは当欄で何度か記したが、本日、午前中から会議2件、関係者との会食2件という「孤独になれない」行事が続き、完全にヘロヘロに。

癒やしを求め、“我が心のオアシス”こと都内の某「喫茶室ルノアール」に駆け込んで、いつものように「ドリップアイスコーヒー」を注文し、何とか生き返った。

とにかく1人にさせてくれと某「喫茶室ルノアール」に避難したはずなのに、すぐ近くの男性が読んでいた“あの雑誌”の表紙を見て「お話ししたい願望」が生起
とにかく1人にさせてくれと某「喫茶室ルノアール」に避難したはずなのに、すぐ近くの男性が読んでいた“あの雑誌”の表紙を見て「お話ししたい願望」が生起

ホッとひと息つき、顔を上げると、すぐ目の前の席に1人で座っていた推定50歳くらいの男性がなんと“スーパーミステリーマガジン”こと「月刊ムー」12月号(学研プラス刊)を堂々と表紙が見えるような角度で、熟読していたのだ。ちなみに、今月号の総力特集は「アメリカUFO戦争の知られざる真実」。

筆者も1980年代前半からの「月刊ムー」愛読者で、同誌をもとにした単行本シリーズ「ムー・スーパーミステリー・ブックス」も大量に購入してきただけに、過去1000回以上利用してきた「ルノアール」チェーンにおいて、「『月刊ムー』を読んですごす客」を記憶する限り初めて見て、心の底からある種の感動が込み上げてきた。

自宅書棚には今も「ムー・スーパーミステリー・ブックス」の山が。「ムー」読者として次回の引越の際も捨てられないだろう
自宅書棚には今も「ムー・スーパーミステリー・ブックス」の山が。「ムー」読者として次回の引越の際も捨てられないだろう

「ムー」愛読者の可能性があるこの男性と、「超古代文明」「アトランティス大陸」「超能力」「各種神秘行」「チベット密教」「ピラミッドパワー」「西洋魔術」「ユング心理学」「国際的秘密結社」「気功」「仙道」「幽体離脱」「クンダリニー・ヨーガ」「宇宙エネルギー」など同誌が扱ってきた各ジャンルについて話が盛り上がる可能性があるのではないかと一方的に推察し、トイレに行くついでにどさくさに紛れて「あ、『月刊ムー』最新号じゃないですか!」みたいな感じで話しかけたいという欲望が猛烈に高まり、脳内で声掛けのシミュレーションまでしたのだが、そうこうしているうちに同男性は「月刊ムー」を読み終わり、普通の一般紙を読み始めてしまったため、完全に、声を掛け、「ムー話」に花を咲かせるタイミングを逃してしまった。

近年、友人を増やしたいという意欲が激減している中、久々に「この人と話したい」という願望が生起した極めて数少ない機会だっただけに、やや残念。

「ルノアール」を出た後、筆者の頭の中に南野陽子氏の歴史的7枚目シングル「話しかけたかった」(1987年4月発売)が流れ続けていたことは言うまでもない。【文化社会部・Hデスク】