「アベンジャーズ」シリーズの完結編。前作「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」では、サノスによって全宇宙の生命体は半減。アベンジャーズも多くのメンバーを失うまさかの大敗となった。だがエンドロール最後には、キャプテン・マーベルの星形の紋章が映し出された。あれから1年。やっとあのもやもやから解放されるだろう。

シリーズ完結編と銘打っているが、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の集大成だ。「アイアンマン」(08年)以降、脈々と続いてきたヒーローたちの魅力が凝縮されている。個性あふれるヒーローたちが一丸となって最終決戦に挑む姿は、ヒーロー映画お約束とはいえ、感動だ。本作の全てを堪能するには、これまでのMCU作品を見ておく必要があるだろう。だが、前作を見ておくだけでも十分楽しめるはずだ。「アベンジャーズ」シリーズは勧善懲悪ではない。あのサノスでさえ、己が信じる正義がある。だからこそ、リベンジ(報復)ではなくアベンジ(逆襲)なのかもしれない。

3時間におよぶ超大作。しかし、時間の経過を忘れて集中できる、その名にふさわしい最終作だ。【川田和博】(このコラムの更新は毎週日曜日です)