半年間に14人の議員が辞職し“辞職ドミノ”とまで言われた、2016年(平28)の富山市議会の政務活動費不正請求問題を、覚えているだろうか? その口火を切ったスクープを報じた富山県の民放テレビ局が、今年まで市議会を追ったドキュメンタリーだ。
同局は16年に、13~15年度の全市議の、政務活動費の支出伝票を情報公開請求し、得た9700枚の記録を丹念に調べ“富山市議会のドン”と言われた自民党の重鎮市議が市政報告会の資料印刷代を請求しながら、会が行われていなかった事実を突き止めた。同市議は不正受給を認め、辞任。その後も自民党だけでなく他会派の市議領収書の改ざん、カラ出張などの不正が発覚して辞任。同局の情報公開請求を、議会事務局職員が不正発覚前の市議に漏らしたことまで発覚した。
徹底した調査報道が議会を変えた一方、17年以降は不正が発覚しても辞職せず居座る議員もおり、変わらなかった部分もあった。その中、社の姿勢に疑問を呈したキャスターが「報道機関として、まっとうな形に戻ってもらいたい」と涙で退職を宣言する場面まで描いた。コロナ禍の中、政治不信という言葉も日常的に目にする昨今、自分事としてこの映画を見て欲しい。【村上幸将】
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