TBS日曜劇場枠「グランメゾン東京」「マイファミリー」など話題作を生んだ黒岩勉氏がオリジナル脚本を手がけた、本格救命医療ドラマの劇場版。ドラマ最終回の2年後の設定で、松木彩監督がメガホンを取った。横浜ランドマークタワーで起きた爆発事件を舞台に、上層階の193人を救うため奮闘する「TOKYO MER」と、新設された「YOKOHAMA MER」の対立や活躍を描いた。
アクション映画のようなスピード感と、主演のチーフドクター喜多見幸太を演じた鈴木亮平のヒーロー要素が、スリルと感動を与える。緊迫した手術シーンは指先まで吹き替えなしで演じ、膨大な医療用語を交えたセリフは今回も“喜多見節”で見事に演じた。
ドラマから多くの視聴者の心をつかんだのは、誰かのために必死になる姿だろう。命を救うためなら危険を顧みずに事故現場に飛び込んでいくMERメンバーの姿は、コロナ禍で感染リスクを背負いながら働く医療従事者と重なる。劇場版ではこれまでのメンバーも続投し、新メンバーも参加。チームの成長や、先輩に憧れて背中を追う研修医の姿も見どころだ。
ドラマでお決まりのセリフ「死者は、ゼロです」は視聴者にとって希望となった。映画でも医療従事者だけでなく、多くの人に感動を届けてくれるだろう。【加藤理沙】
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