日本で初めて新型コロナウイルスの集団感染が起きた豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス号」を舞台に、DMAT(災害派遣医療チーム)のメンバーらが未知のウイルスと闘う姿を描く。
船は20年2月3日に横浜港に入港し、約1カ月間、停泊。乗客乗員約3700人のうち712人が感染し、10人以上が死亡した。あのとき、あの船で何が起きていたのか? 約半年かけ、命の最前線「フロントライン」にいた多くの関係者に取材を重ねた。
日本を代表する豪華キャストが集結した。DMATの統括責任者・小栗旬は一刻を争う中、大きな決断をするまでの心情の揺れを繊細に表現している。松坂桃李は厚生労働省の役人を柔軟に演じ、現場のDMATトップの窪塚洋介は振り幅の大きさが魅力的だ。
当時、インターネット上には根拠のない言説があふれ、医療従事者への差別や中傷が後を絶たなかった。家族を地元に残し現場で対応したDMAT隊員を演じた池松壮亮が「未知」に直面しても、淡々と職務を全うする姿にしびれた。最前線の現場で闘った人にしか分からない葛藤や緊張感がひしひしと伝わってきた。【松浦隆司】
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