【今週の言葉】「医療を守るのはベッドではなく人だ」

8日、新型コロナ感染拡大による医療従事者の疲弊を訴え、Go Toトラベルの停止を強く求めた東京都医師会、尾崎治夫会長の言葉です。「これ以上感染者や重症者が増えれば、コロナ患者さんも一般患者さんも両方守れない」。現場主義と、血の通った分かりやすい言葉で日々リーダーシップを発揮しています。

芸能記者としては、木村拓哉さん主演で17年に放送されたドラマ「A LIFE~愛しき人~」(TBS)の完成披露試写会に出てきた人、として印象に残ります。

東京都医師会として初めてドラマを後援し、試写会に初めて日本医師会館の大講堂を使う許可を出したのが尾崎会長でした。「しっかりした医療指導のもと、リアルな外科医のドラマにしたい、という話をいただいたので」と、前例にとらわれないリーダーシップで医療業界をPR。木村さんが演じる外科医、沖田一光を「1人のドクターとして応援したい」とし「われわれ1人1人が頑張るのと同じように、沖田一光さんにも医者として頑張っていただきたい」と語っています。

会員には病院や大学などあらゆるカテゴリーの医師がいますが、会長自身は「町医者」だそうです。専門は心臓ですが、町医者なのでさまざまな患者さんを診るとのことでした。

ちなみに試写会には、時間をつくってやってきた医師や看護師も多く参加していました。それぞれの立場でドラマを楽しんでいて、終了後、わいわい感想を交わしながら会場を後にしていました。3年後、世界がこんな事態になってしまい、あの皆さんは今ごろ、精神的、肉体的にどんな過酷な状況にあるのか案じずにはいられません。

さまざまな場所で活躍する医療関係者をリスペクトし、「そんな先生たちを支える」組織の使命を熱く語っていた尾崎会長。「医療を守るのはベッドではなく人だ」「医療者が疲弊している現状では医療は守れない」という明快なメッセージにも納得です。

会見では、特に重症化が少ない若者や、気が緩む人に「人間は社会のつながりをもって生きている」と訴え、「年末が正念場」と必死のお願い。肝に銘じて過ごしたいと思います。【梅田恵子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能記者コラム「梅ちゃんねる」)