落語芸術協会会長の桂歌丸は20日、桂米朝さんの訃報をうけてコメントを発表した。

 「私が前座、二つ目のころ、大阪に先代の桂小文治師匠のお供で伺ったとき、米朝師匠にはよくごちそうになりお世話になりました。それからは年に1回くらいしかお会いできなかったのですが、米朝師匠から『あなたは珍しい噺(はなし)をおやりになりますね』と言われたことを今でもよく覚えています。数年前米団治さんに『米朝師匠に稽古をつけてもらいたいけど大丈夫かな?』と聞いたことがあります。『もう無理でしょう』ということであきらめましたが『まめだ』を習いたかったですね。ほかにも米朝全集の中からこちらに持ってきたい噺がたくさんあります。そうしたお話をできなかったことがなにより残念です。米朝師匠の功績は上方落語を復興させただけでなく、関東はじめ全国に上方落語をわかりやすく広めたことだと思います。今日、米朝師匠の訃報を伺いまして、落語界全体の損失に思います。ただ、ご一門の方々がたくさんおいでになりますので、米朝師匠の遺志を引き継いでいただけると思います。謹んでご冥福をお祈りいたします」