タレント東貴博(45)が亡き父、東八郎さん(享年52)が主宰したお笑い養成所「笑塾(しょうじゅく)」を27年ぶりに復活させ、塾生を募集することが6日、分かった。入塾料やレッスン料は無料。東は「芸能界を見学する軽い気持ちで来て」と話している。

 東さんは後進育成のため86年に「笑塾」を立ち上げた。塾は落語家桂米多朗(49)や元ジョーダンズ山崎まさや(45)ピン芸人ぴろき(51)TBS斎藤哲也アナウンサー(50)らを輩出したが、88年7月に脳出血で死去。3期生を募集していたが解散となった。

 東は父の弟子でもあった萩本欽一(74)に「僕のところへ来ないか」と声を掛けられて入門したが「芸人になりたいと思っていなかった。面白いから売れる世界ではないと見て知っていたので、憧れてはいなかった」という。「欽ちゃんが行くテレビのリハーサルの現場に行って見学してるだけでした」。やがて94年に深沢邦之(48)とTake2を結成。フジテレビ系「ボキャブラ天国」で一躍人気者になった。

 昨年、父の二十七回忌を機に、ある思いが生まれた。「俺くらいの時、おやじが何をやってたかって考えたら『笑塾』だった」。「塾」は、かつて萩本のもとで学んだ経験も踏まえ、「お笑いは人から教わるものじゃない。欽ちゃんも『自分でやるもの』と言っている。教えるというより、現場を体験させて経験を話すだけです」。

 講師は、昨年「R-1ぐらんぷり」優勝のやまもとまさみ(41)や映画「暗殺教室」などで知られる脚本家金沢達也氏(43)が務める。「養成所に行きたいけど金がないやつ、大学に入ったけどめぼしいサークルがない、2世だけどどうしていいか分からないやつに来てほしい。やる気のある人は来ないで。明確に芸人になりたいと思っている人は、大手の養成所に行って」と笑う。【小谷野俊哉】

 ▼塾生募集について 18~25歳の男女。劇団などに所属せず、東京・浅草に週1回通えること。23日に浅草花やしきでオーディション。〒107・0052東京都港区赤坂7の6の52、ハイツ赤坂311「笑塾オーディション事務局」まで履歴書に志望動機を書いて郵送。20日必着。