SMAP中居正広(42)の父親、中居正志(なかい・まさし)さんが2月19日に肺がんで死去していたことが9日、分かった。79歳だった。中居はテレビやイベントなどで、正志さんについて語り、正志さんもテレビのバラエティー番組などに出演。気さくな人柄をのぞかせ、ファンや視聴者に親しまれていた。

 中居は父親の死を自ら明かした。この日放送のレギュラー番組、ニッポン放送「中居正広のSome girl’ SMAP」(土曜午後11時)の冒頭、報告した。

 「だいぶ落ち着きましたので、この時期を選ばせていただきました。私のお父様が2月19日に亡くなりました。79歳。4月2日で80歳だったんですけど」

 親族50~60人で密葬を執り行い、四十九日の法要も済ませたと説明し、「僕の家にも小さい箱の中に骨があります」と語った。

 放送時間の約30分間のほとんどを使い、父親の闘病生活を説明した。肺がんが判明したのは、2013年2月。翌3月12日に7時間に及ぶ大手術で片方の肺を摘出した。同年秋、リンパにがんが転移。放射線治療を週6日受け、1年前に喉頭がんとも診断された。正志さんは胸などの肉をのどに移植するなど、計5回の手術を受けたという。

 中居は正志さんを支え続けていた。一緒にハワイ旅行に出掛け、「病院の飯はまずい」と聞き、自分で初めておにぎりを作った。「なるべく家にいたい」という願いも受け入れ、ギリギリまで在宅医療を続けた。亡くなる前の3カ月は4回救急車に乗り、80キロあった正志さんの体重が40キロ台になったことも明かした。

 中居は3人兄弟の三男で、父親から「ヒロちゃん」と呼ばれていた。父親らと海外旅行をしたことやゴルフに行ったことをテレビやラジオで明かすなど、父子の仲の良さは有名だった。正志さんも要請があれば、バラエティー番組などに快く出演。俳優の左とん平似の柔和な顔立ちと気さくな人柄を披露していた。

 SMAPが出演するNHK紅白歌合戦の前日リハーサルは、毎年見学していた。NHKホールの前方座席が正志さんの定位置だった。中居は翌週(16日)の放送でも引き続き、正志さんが亡くなる前後について語ることを約束。最後に「もう僕、大丈夫なんで」と気丈に振る舞った。