東映が男性バーチャルアイドルユニット、「EIGHT OF TRIANGLE」(エイト オブ トライアングル)をデビューさせると8日、発表した。この日、都内で会見を行い、発表した。コンポーザーKazutoとボーカルRayの2人組で、実在のアーティストがモーションキャプチャースーツを着用して動き、その動きをリアルタイムにトレースして3DCGのキャラクターが動く。そのため、リアルタイムでのライブができるという。2人同時にリアルタイムに動きをトレースできる技術について、関係者は「おそらく日本では初めてでは?」と説明した。

 バーチャルアイドルとしては、2007年にボーカル音源として発売され、世界的に人気の初音ミク、11年のフジテレビ系アニメ「ギルティクラウン」に登場し、アニメの放送が終了後も活動を続け、海外でも公演を展開する「EGOIST」(エゴイスト)が先行しているが、いずれもキャラクターは女性。「EIGHT OF TRIANGLE」は初の男性ユニットとなる。

 2人は顔を出さないが、実在のアーティストでメジャーでもインディーズでもデビューしていない。都内でアマチュアとして活動していた昨年夏に、企画の立ち上げに動いていたスタッフと出会い、今回のデビューに至った。Kazutoは「これから、いろいろな楽曲を作っていますので、楽しみにしていてください」とあいさつした。Rayは「正直、メチャクチャ緊張しています。ステージに立つことを楽しみにしてきました」と感激した。

 2人は歌うだけではなく踊り、楽曲も制作する。会見ではデビュー曲「heart of erode」を披露したが、それ以外にも既に数曲、楽曲はできているという。同曲を11月14日にitunesなど大手サイトで配信してデビュー後、来年1月にはミニアルバムをリリースする予定。

 東映は1951年(昭26)4月14日の創立後、50年代は萬屋錦之介さん、片岡千恵蔵さんらを起用しての時代劇、60年代は任侠(にんきょう)ものに人気を集め、鶴田浩二さん、高倉健さん、菅原文太さんら数多くの男性スターを送り出してきた実績がある。一方で70年代以降は戦隊もの、仮面ライダーなどの特撮で一時代を築き、キャラクター作りには定評がある。その2つの路線を融合した企画が、今回の「EIGHT OF TRIANGLE」だ。

 今後は音楽活動を軸に、東映の本業である映画やテレビドラマ、アニメなどへの進出について、東映執行役員の吉元央総合プロデューサーは「新人デビュー、ライブというステップをキッチリ踏んで、起用されるところになればと夢は見ております。まずは、皆さんに指示されるのが第一目標」と語った。