広末涼子(36)が「独身」に戻った。WOWOWのホームコメディードラマ「稲垣家の喪主」(18日午後10時放送)で、彼氏なしで未婚のヒロインを演じた。最近はドラマや映画で「母親」や「妻」を演じる機会が続いたが、久しぶりに独身女性を演じている。

 大手保険会社勤務のキャリアウーマンだったが、ある事件を機に会社を辞め、実家でダラダラと無気力な生活を送っている杏子。ある日、極度のあがり症が悩みの小学生の甥(おい)っ子が、伯母がこのまま独身を貫くと、いつか自分が喪主あいさつをしなければならないと気付き、結婚させようと奮闘し始める。杏子は「夫候補」とデートを重ね、心ひかれていくが、ある秘密を知り、自分なりの決断を下す。

 一見マイペースで奔放な性格に見えるが、思いやりのあるキャラクター。広末は「とても素直でストレートな勢いがあり、演じていて、その潔さや正義感が、とても気持ち良かった」という。これまで多くの女性を演じてきたが「私もこんな人でありたいなと感じ、すがすがしい気持ちになって良い刺激を受けました」というほど憧れを感じたキャラクターだった。

 30代になって母親や妻を演じるようになり、女優として幅を広げた。私生活でも3児の母親で、そうした役柄を説得力ある演技で表現してきた。今回も、甥っ子との共演場面は「大人から子供の視点ではなく、同じ目線で対等に向き合っている女性でありたいと心掛けました」といい、母親役などで培ってきた経験を生かしカメラの前に立った。

 女優としてブレークしてから約20年。深みを増した演技で、作品をしっかり支える存在になった。

 ◆広末涼子(ひろすえ・りょうこ)1980年(昭55)7月18日、高知県生まれ。95年フジテレビ系「ハートにS」でドラマ初出演。96年フジテレビ系「木曜の怪談『魔法のキモチ』」で連続ドラマ初主演。主なドラマは「ビーチボーイズ」「聖者の行進」「オヤジぃ。」「できちゃった結婚」「龍馬伝」「ヤスコとケンジ」「スターマン・この星の恋」「聖女」「ナオミとカナコ」など。161センチ。血液型O。