歌手三浦大知(29)が1日、東京・渋谷区の代々木公園野外ステージで、デビュー20周年記念のフリーライブを行った。

 雨が降りしきる中、2日発売の新曲「U」やヒット曲「music」「ふれあうだけで」など9曲を、集まってくれたファン約2000人に向かって歌唱。「本当にごめんなさいね。台風が向かってきているので、足もとどころか全身がびしょぬれ。そんな中、来てくれてうれしいです。この雨がみんなの『最高の思い出の雨』になるように全力でパフォーマンスをします」と呼び掛けた。

 ステージにも横殴りの雨が降りかかり、衣装だけでなく、髪までがぬれ、ステージのあちこちに水たまりができた。そんな悪環境の中での激しいダンスに「だいちーっ」の熱い声援が何度も飛んだ。

 97年のこの日、男女7人組グループ「Folder」のメインボーカルとしてデビュー。「好きな歌とダンスを20年間続けてこられて、それをみんなにも楽しんでもらえている。すごく恵まれている」と歩みを振り返り、ファンに感謝した。

 20年の間には、00年からの約4年間、変声期のために音楽活動を休止したこともある。「自分にとっての転機だった」と振り返るこの時でも、常に前を向いていた。歌唱は無理でも、ダンスに特化したレッスンに集中してスキルアップに務めた。

 05年にソロとして活動を再開。それからは、自身でダンスの振り付けを行い、作詞や作曲もひんぱんに手がけるようになっていった。「和製マイケル・ジャクソン」と呼ばれた天性の歌声とリズム感に磨きを掛け、14年には欧州最大の音楽賞「MTV EMA」の日本代表に選ばれるほどに成長。今年1月発売の「EXCITE」ではオリコンランキングで初の1位を獲得。「ソロで歌って踊る」というオンリーワンの存在感を増していった。「今は、昔よりも音楽が好きになっている。自分には飛び級は似合わないから、これからも1日1日を少しずつ、アップデートをしながら1歩1歩伸びていければいい」。

 代々木公園野外ステージの隣には、NHK紅白歌合戦の会場である「NHKホール」がある。「もちろん、呼んでもらえれば出たいです」。初の紅白出場にも意欲を見せた。

 今月24日で30歳。将来の夢は「グラミー賞を取ること」。それも、母国語である日本語の楽曲を評価してもらい、たどり着きたいという。その実現のために、節目の年齢を迎えても、デビューからこだわっている「歌って踊る」スタイルを貫き通していく。「三浦大知を応援して良かったなと思ってもらえるように、これからも少しずつ進んでいきます」。