東京・歌舞伎座「芸術祭十月大歌舞伎」が1日、初日を迎え、昼の部で、史上初のインド作品原作の新作歌舞伎「極付印度伝 マハーバーラタ戦記」が上演された。

 3年前から構想を練り、この夏にインドにも渡って準備を進めてきた尾上菊之助(40)は「初日が開いて本当にうれしく思っています。長い叙事詩のいいところを抽出して楽しんでいただけるエンターテインメントになり、肩の力を抜いて楽しめる作品になったと思います。これから25日間、日々進化させていきたい」と話した。

 先月4日に、第3子となる次女が誕生したことについては「元気にしています。かわいいです」。

 インドの古い宗教観では、生きている自分と真の自分は別にあると教わったという尾上菊五郎(74)は「どんなに浮気しても不倫しても、それは別の人間がやってる、真の人間はやってないってんでね。何とでもできる。インドの古い宗教はいいですわ」と笑わせた。

 演目について菊五郎は「新しいものにはぜい肉が付いてる。ぜい肉をそぎ落としてもっと次なるものが出てきて、その次に重箱の隅をつつくような演技が必要になってくる。この作品もどんどん練り上げられていいものになっていくと思う」と期待を寄せた。

 インドの民族衣装サリーを着て来場する観客もいるなど、いろいろな楽しみ方をする様子が見られた。25日まで。