上方落語協会は26日、大阪市内で、今年の上方落語台本大賞に、奈良県生駒市の演芸作家、石山悦子さん(50)が書いた「税夢署」を選んだと発表した。

 個人情報をすべて管理され、あらゆる物に課税され、見た夢にまで税金がかかるといった近未来を描いた作品。今回から、審査員に作家難波利三さんらが加わり、笑いに特化せず、ストーリー性の高い作品が評価を集めた。

 この日、発表の場に出席した桂文枝会長(74)は「今回から作家さんや、演芸ライターの方にも(審査に)参加いただき、広い視野で選ぶことができた」と話した。

 受賞作品落語会は来年3月1日、大阪・天満天神繁昌亭で行われ、大賞作の「税夢署」は、笑福亭仁智(65)が演じる。文枝は、仁智を演者に選んだことに「話の内容から、仁智君がやるのが、一番、感じが出るかなと思った」と説明した。

 優秀賞は東京都葛飾区の広島哲也さん(44)が書いた「百一文」と、京都市の北沢佐代子さん(32)の「苦労買い」が決まり、ほかに佳作3作が選ばれた。

 受賞作品落語会では、計6作が演じられ、「百一文」は月亭八方、「苦労買い」は笑福亭松枝が演じる。