大阪市24区それぞれの特色を盛り込んだ創作落語を、順次24区全区で、桂文枝(74)が披露していくプロジェクト「参地直笑祭(さんちちょくしょうまつり)」が17日、同市住之江区からスタートし、文枝は新作「幸せの方程式」をネタ下ろしした。

 大阪市と包括連携協定を結んだ吉本興業が、各地域の魅力を発信しようとしたプロジェクトの一環で、生涯300作を目指す創作の第一人者、文枝が、全24区のご当地落語を手がけていく。

 文枝は「我々が24区を回って、ネタを届けていく。そして笑ってもらい、地元の魅力を知ってもらい、他所へ発信していく」と企画意図を説明。そこから命名したプロジェクト名「参地直笑祭」は「私が24区回ると言い出したので、私が考えてつけました」とアピールした。

 初回地が住之江区に決まってからここまで、文枝は同区内を歩き、野鳥園を散策。飲食店なども訪問してネタを集め、娘の幸せを願う夫婦の物語「幸せの方程式」を創作した。

 区内には、住之江ボートレース場もあり、通称「BOAT RACE住之江」として知られ、全国から多くが集まるが、施工者は、別の自治体で大阪府箕面市など。文枝はこれもネタに入れ込み、ボートレーサーを志した娘の物語を軸に、箕面市も登場させ「住之江にある競艇場なんですけど、箕面市の持ち物なんです」などと、物語を展開していった。

 高座の後は、西原昇住之江区長らとトーク。大阪湾に面していることから、歴史好きの文枝は「海を見て育った偉人は多い。坂本龍馬とか。海を見て育つのはいいこと。大志を抱ける。ぜひ、ここで子育てをしてほしい」と話していた。