テレビ大阪(大阪市中央区)は22日、春の改編会見を開き、4月9日スタートで、菊川怜(40)主演の異色“台本なし”ドラマ「役者ダマしい」(月曜深夜1時5分)を放送すると発表した。

 菊川が「小料理店の美人おかみ」にふんし、週替わりで出演するゲスト男優が多様な手法で、菊川を口説くストーリー。台本はなく、出演の役者の発案、キャラクターまかせで展開する「エチュード・ドラマ」で、事前の打ち合わせもなし。菊川は事前に設定を知らないまま、即興で恋愛ドラマを演じていく。

 担当のコンテンツビジネス部・徳岡敦朗氏によると「完全なドラマというより、バラエティー・ドラマ。菊川さんは頭の回転がとても速い方で、ぜひに、と、お願いしました」と、菊川の起用を説明した。

 全12本を予定し、すでに4本を収録。津田寛治(52)神保悟志(55)小市慢太郎(49)金子昇(43)が、「強盗に失敗して小料理店に逃げ込んできた男」や、「実は犬」の設定などで出演している。

 徳岡氏によると、菊川は「相手役さんによって息の違いもあり、お互いに設定をよく知らず、毎回、ドキドキして収録に臨んでいます」と話しているといい、斬新なドラマ企画のスリルを楽しんでいるようだ。

 画期的なのは、ドラマ内容だけではなく、今作は、TVh(北海道)TVQ(九州放送)など系列局やNTTぷららなど、7社出資による制作。バラエティーに比べ、ドラマは制作費がかかり、テレビ大阪にとっても、久々にドラマを手がけることになる。

 映画ではよくみられる「製作委員会」方式での制作になり、テレビ大阪は「内容とともに、いろんな意味で話題も提供していきたい」と話している。

 徳岡氏によると、構想は1年ほどかけており、制作費は「普通に制作するのに比べて3分の1ぐらい」に抑えられているそうで、現状では12本予定だが、反響次第では、続編も検討しているという。

 放送はテレビ大阪の4月9日スタートに先駆け、NTTぷららで先行配信が決定。7月からテレビ北海道、九州放送でも放送される予定。

 また、同局は4月2日から、昨年末に庄野数馬アナウンサーの就業員規則違反による降板騒動があった夕方ニュース枠を改編。ローカルニュース枠の合間に全国ニュース「ゆうがたサテライト」をはさむ形で、「やさしいニュース」としてリニューアル。1部は午後4時44分から、2部は同5時15分からとし、中川栞アナウンサー(27)千年屋俊幸アナウンサー(59)らが出演する。