作家の乙武洋匡氏(42)が、性的少数者(LGBT)への表現が差別的だとの批判を受けている月刊誌「新潮45」の休刊を「言論封殺」だとする声に対し、反論した。

乙武氏は26日更新のツイッターで、「今回の休刊を受けて「言論封殺だ」と騒いでいる人々がいるが」とネット上の声に言及し、「言論封殺とは“権力の座にある者”が自分たちにとって都合の悪い言論を封殺すること。今回はそれに当たらない」と反論。「下劣な記事に市井の人々が憤り、声を上げた。それを受けた新潮社が説明責任を放棄し、媒体を閉じた。それだけのこと」と説明した。

また乙武氏は「『出版界最強』とも言われる校閲を有しながら、なぜ新潮社はあのように事実誤認にまみれた記事・特集を掲載するに至ったのかを解明し、総括する必要があるように思う」とした。

同誌は、自民党の杉田水脈衆院議員が、LGBTを「子供を作らない、つまり『生産性』がない」などと表現した寄稿を掲載したことから批判が殺到。10月号で「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」と題した特集を掲載して反論したが、さらなる批判を浴び、21日には同社が「あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現が見受けられた」とする佐藤隆信社長名の談話を公表。25日に同誌の休刊を決めたと発表した。同社は「部数低迷に直面し、試行錯誤の過程で編集上の無理が生じた。その結果、このような事態を招いたことをおわびします」と謝罪した。