俳優渡辺大(34)が2日、都内で、7月に行われたマドリード国際映画祭で最優秀外国語映画作品賞と最優秀外国語映画主演男優賞をダブル受賞した主演映画「ウスケボーイズ」(柿崎ゆうじ監督)の完成披露上映会に出席した。

世界に通用する日本のワイン「桔梗ヶ原(ききょうがはら)メルロー」を生んだ麻井宇介(あさい・うすけ)に憧れ、麻井の思想を受け継ぎながらワイン作りに没頭する若者たちの物語で、渡辺は主人公の青年、岡村を演じる。麻井役は橋爪功(77)。

マドリード映画祭の授賞式は、食事を挟みながら5時間ほどかけて行われたという。渡辺は「初めてのスペインで浮かれてしまって、ワインをしこたま飲んでしまって、ぼんやりとしたままノミネートに来てしまって」と笑って振り返った。さらに「名前を呼ばれるのかと思ったらタイトルの方から呼ばれたので、(受賞できなかったと思って)『飲み直そうかな』と思ったところでびっくり」と、受賞の瞬間を説明した。

帰国後の反響を聞かれると、「M-1の優勝みたいに、次の日からすごく仕事が増えたわけでもないので、粛々と毎日を楽しく生きています」と話して笑わせた。

また、劇中でワイン作りに没頭する「ウスケボーイズ」たちのように、「既存の考えにとらわれずチャレンジしてみたいこと」を聞かれると、「この作品が終わってもワインとのご縁はつむいでいきたい。ワインエキスパートを取ったりしたいですね」と宣言した。言ってみたものの、盛り上がる会場を見て焦ったのか、「実現するかどうかは追求しないでください。努力はします」と付け加えて笑った。

共演の出合正幸、内野謙太、竹島由夏、伊藤つかさも出席した。内野は「さっき楽屋で大くんが高級ブランドのカバンを使っていたのを見て、僕もいつか主演男優賞を取って高級なカバンを買ってみたい」と話し、渡辺の苦笑いを誘っていた。