10月27日に公開した「映画HUGっと!プリキュア■ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」が、初日からの2日間で興行収入3億5000万円、30万9781人を動員と、歴代最高の好スタートを切った。大ヒットを記念し、発売中の「プリキュア新聞2018秋号」から、紙面に未掲載のインタビューを、ニッカンスポーツコムで「プリキュア新聞2018秋号 特別版」として公開する。2回目は、宮野が「プリキュア」をはじめとした子供向けの作品で演じる際のこだわりを語る。【村上幸将】

 

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-女性声優の中には、劇場が子どもが振るミラクルライトの光で染まるのを見て泣いてしまう人も…

宮野 分かる、分かる、分かる。僕も、たまにウルトラマンになる時があるんですけど、結構、いつもピンチになると、子どもたちが応援してくれて、その力で立ち上がることが出来て、怪獣を倒すんですけど…その力って、涙が出るんですよ。ああいう、真っすぐ思いに触れると…。

-声優の原動力になる?

宮野 「ポケモン」とか「ウルトラマン」をやらせていただいたことが、僕はすごく大きくて。イベントに行った時に子どもの姿を見ると…子どもに限らず、届ける先があるんだということを、すごく感じさせられる。普段お芝居をしていて、ものすごく意識している、ということではないんですけど…僕らは画面にだけ向かってやっているんじゃないんだ、その先にちゃんと受け取る人がいるんだということが、根本で非常に大事なことで。舞台やライブでは目の前に受け取ってくれる方々が見えるけれど、スタジオでも画面、マイクの先に受け取ってくれる人がいるんだと常に感じてやっています。だから、下手なものは見せられないと思うし、スタジオだからこそ、もっと自分にシビアになって向き合っていますね。

-演じたミデンは思い出を吸収する。ご自身にとって思い出は大事?

宮野 思い出が人を成長させる…大事ですよ。そこが今回の、すごく良いテーマになっている。ミデンは自分の思い出がないじゃないですか? 大事なのは、人を傷つけることじゃなくて、自分自身として、どう思い出を積み重ねていけるか…それが個人を作っていくと思うので。プリキュア15周年で携わっている今は35歳なんですけど、経験してきたこと=記憶は今の自分を形成する上で、すごく大事なものなので。僕は好きなことを仕事にしているけれど、もちろん、それってイコール楽しいことばかりではなくて、若い頃は好きだからこそ、苦しいことの方が多かったかも知れない。でも、本当にいろいろ、数あることを経験させていただいた経験則で、ちゃんと成長できたなと思うのは、苦しいを自分なりに楽しいに変えられるノウハウ、考え方を積み重ねてこられたからだなと思うんですよ。自分が役者として生きる上で、根本に好きだという思いは変わらぬまま、それを取り巻く、いろいろなものが経験、記憶によって、あらゆる変化を生んで、現在の僕の考え方だったり思いがあると思う。人の性格、人生は結局、経験が作るものだと思うんですよね。自分がそうであるように、自分が担当する役、キャラクターもそうである、というのが僕の中で1番大事なので。そのキャラクターが、どういう風に生きてきたか、生きているかが役を演じる上で非常に大事…それが人生だなって思うんですね。だから、僕は役者が楽しい(笑い)

-今後は女児向けの作品も積極的に出る?

宮野 もちろん、お話があれば、そこに自分の意味を見いだして立ち向かうのが好きな人なので、いろいろな経験をしたいなと思いますね。

-小野賢章が「僕は男の子のプリキュアになりたい」と言ったことがニュースに…男性プリキュアはやってみたい?

宮野 それって、イコール、もう何なんだろう? (ヒロインじゃなく)ヒーローなんじゃないですか(笑い)それは、もういろいろな可能性ということで、そこは全然、いいんですよ。変身する楽しさを女の子が味わうように、男の子も特撮ヒーローで味わうじゃないですか? 賢章君のプリキュアになりたいという思いって、とっぴなものではなく、変身して特別な力で縦横無尽に駆け回るのって男女関係なく憧れるものがある、っていう話だと思うんですよ。

-役としてやってみたい?

宮野 もちろんですよ。僕、もう(10年のTBS系「STAR DRIVER 輝きのタクト」で)銀河美少年になっていますし(笑い)確かに、男の子のプリキュアっていう、言葉の面白さとか強さはあるので、もし、そういうのが生まれる時は、参加してみたいと思いますね。「プリキュア」というタイトルだからこそ出来ることって、たくさんあると思うし、それがシリーズの強さだと思いますね。

-レギュラー出演は?

宮野 ミデンは無限の可能性を秘めたキャラクターだと思うので、人間体…なんてね(笑い)プリキュアの技だけは、ずっと使えるんです、覚えているんです、みたいなことになって最強のプリキュアになって、今度は味方になって窮地を救うみたいな(笑い)

 

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宮野は「プリキュア新聞2018秋号」で一般から募集した、歴代のプリキュア52人から夢のチームを選ぶ企画「夢のプリキュア」にも参加し、理想のチームを作った。紙面に掲載したチームについて、解説してくれた。

宮野 芸能面にたけたキャラクターもたくさんいるということでチョイスさせていただきました。僕は自分のライブもありまして、エンタメ性をすごく大事にしていて、歌あり踊りあり、時にコントもするんですけど、ちょうどピッタリなキャラクターが、たくさんいて。コント担当が、キュアサニー。人を笑わせることが大好きで、最後にオチを求める…ピッタリじゃないですか? ぜひ、コントに出演して欲しい。スタイリストは、衣装も、すごく大事なので、キュアマリンに、すてきな衣装を作ってほしい。バックダンサーに…キュアピーチを使うって、ぜいたくですか? 今回のHUGっと! プリキュアの2人はギターを使うんですよね。ツインギターで…他のメンバーは、うちのバンドメンバーで(笑い)僕のチームのダンサーに1人、キュアピーチが混じっているとか、めっちゃ面白いじゃないですか! リアルと合致して…このコラボ、いいですよね。うちのライブに、ぜひ!

宮野の目が、ひときわ輝いた。

 

※■はハートマークの白