8月4日に亡くなった津川雅彦さん(享年78)と4月27日に亡くなった朝丘雪路さん(享年82)の合同お別れ会が21日、東京・青山葬儀所で営まれ、安倍晋三首相(64)が参列し、別れの言葉を述べた。

津川さんと親交があった安倍首相は「こんなに突然の形で別れがやってくるとは、思いもしませんでした」としのんだ。津川さんは、安倍首相が第1次政権で退陣した後、12年の自民党総裁選出馬を前に、安倍氏を再び総理の座に押し上げようと、民間人の有志による支援グループの発起人に名を連ね、拉致問題啓発ポスターにもボランティアで協力していた。

「政界は分かりやすい世界で、力を失ったりすると周りはサーッと引いていく。そんな時、逆にブログでエールを送ってくださって、私から声を掛けさせていただいた。その時に『しばらく時間がかかるかもしれないけど、もう1回やりなよ』と声を掛けてくれました。津川さんの気の置けない仲間たちと話を交わすそういった会を重ねて、私にとっては時がたつのを忘れる至福の時で、懐かしい思い出がよみがえってきます」と思い出を語った。

日本の素晴らしい美や文化を大切にするようにも説かれていたといい、「その津川さんの理念や執念の結晶として、現在もパリで開催されている『ジャポニズム2018』がある。縄文時代から現代のポップカルチャーにいたるまで、幅広く紹介して、たくさんの人が足を運んでくれている。改めて津川さんに御礼を申し上げたい」と感謝も表した。

「私も何回も勇気をいただきました。晩年は世の中に種をまくことを大切にしていたように思う。お嬢さまからご夫婦が仲良かったのかなというお話しもありましたが、人生も夫婦もいろいろあるんですよ。改めてご冥福をお祈りして、2人で静かにお眠りいただければ。ご冥福をお祈りします」と話した。