南青山の一等地に児童相談所(児相)を含む複合児童施設を建設する計画に対し近隣住民から「ブランド落ちる」などと反対の声があがっている問題について、フジテレビ系「直撃LIVEグッディ!」のコメンテーターとしても知られる田村勇人弁護士が「これは日本社会の分断を示す危険な兆候」と警鐘を鳴らした。

田村弁護士は19日更新のブログで、南青山の児相問題について、「生放送では感情が高ぶって泣いてしまいそうなので(すいません)、あらかじめ文字で私の意見を伝えさせてください。それくらい今回の話は情けない話だと思います」と言及した。

「好きで児童相談所に入る子供も、好きでDVから逃げてくる母親もいません。そういったある意味家庭から阻害されてしまった人たちが、さらに周辺地域社会から阻害されてしまってはかわいそうですし、不幸にも家庭からの愛情を得られなかった子が、その後も周囲から阻害された場合と、周囲からは受け入れられた場合とではどっちの方が彼が将来社会に貢献できる人間になるでしょうか?」と問い掛け、「反対派は自分の生活を守っているようで、結果家庭からも社会からも阻害される人を作ろうとしているという意味において間違っています」と反対する住民側を批判した。

また「反対派の言説を聞いていると、まるで児童相談所に入る子供と自分とを全く関係のない、連続性のない別の存在として認識し、その異物が近くに来ることに違和感を覚えているようですが、果たしてそうでしょうか」と疑問を投げかけた田村弁護士。裕福な家庭でも児童相談所に入るケースは多いことを示した上で、「日本人は皆仲間だし、誰しもいつか自分たちの子孫が児童相談所のお世話になるかもしれない、施設に入所する人も自分の延長線上にいる同質な存在と考えて欲しいです」と訴え、南青山住民の反対は「これは日本社会の分断を示す危険な兆候」だと私見を述べた。