平成最後の「ジュノンボーイ」が俳優道に挑む。昨年11月、札幌市の専門学校生、松本大輝(19)が第31回「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリに輝いた。

道産子のグランプリは15年の飯島寛騎(22)以来3年ぶり3人目。19年は182センチの長身と竹内涼真(25)似のルックスを生かし、芸能界で羽ばたく。

昨年の「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」は松本の姉が本人に内緒で応募。最終選考では、審査員の藤田ニコル(20)に愛の告白をするという演技で1万6293人の頂点に立った。

松本 シナリオは自分で考え演じるのですが、僕が教師、ニコルさんが生徒役という設定で。授業をサボりがちな女子生徒役をやってもらったら、すごく役になりきってくれて。僕が「そんなんじゃ卒業できないぞ。卒業できないと、先生が困るんだ」と言い、ニコルさんが「どうして」と。「俺はニコルのことが好きなんだ。つきあいたい。だから卒業して欲しいんだ」という感じで。

最終選考の前と後では、世界観が変わった。

松本 やる前は、何ものどを通らないくらい緊張しましたよ。控室にあったチョコとタラコのおにぎりを一口ずつかじったのですが、吐きそうになっちゃって。でも、そういう普段やったことがないことをやってみて、とてもいい経験になった。グランプリになれるとは思わなかったですが、こういう立場になってみてだんだんと、俳優という道も可能性があるのかなって。

札幌北栄中からバスケットボールに打ち込み、札幌北斗高卒業後、スポーツトレーナーを目指し専門学校に進学した。

松本 研修でレバンガやコンサドーレ、日本ハムの試合を見に行ったら、選手もすごいと思ったのですが、ケガしたときにいち早くかけつけてサポートする裏方の人に目がいくんですよね。プロにはなれないとあきらめていて、何かスポーツに関わる仕事に携わりたいなと、思っていたんです。目立つのは苦手だし、学芸会でも通行人とかで、主役はやったことがなかった。どちらかというと陰で支える人になりたかったから、人前に立って何かをやるようになるというのが、不思議な気持ちです。

映画観賞が趣味で、北海道出身の大泉洋の独特の雰囲気にひかれている。

松本 最近では「アイアムアヒーロー」という映画を見ました。大泉さん演じる主人公が、ひたすらゾンビを撃ち殺していくストーリーなのですが、その映画にとどまらず、幅広い役を演じながらも、らしさは必ずどこかに残して演じている。目つきとか、醸し出すオーラがすごい。僕もそういう俳優になれたら。もし自分が出演するチャンスをいただけたら、いつか、精神的に病んでいる殺人鬼の役をやってみたい。サイコパスですね。なんか、自分とはかけ離れた役をやってみたいです。

3月に専門学校を卒業後は、芸能活動を本格的に始める。同月29日には20歳になる。

松本 今は何もできないから、モデルの仕事とか、ボイストレーニングとかダンスとか、なんでも恥ずかしがらずに挑戦したい。春からは道外に出ることになると思う。不安も大きいけど、今までとはまったく違うことをやるんだという、楽しみな気持ちの方が大きい。こうなれたのも何かの縁。無理そうなことでも、いい方向にいくと思えば、そうなる。これまでも、そんな感じでやってきたので。

無欲で飾り気のない青年が、新たな可能性を求め、突っ走る。【永野高輔】

 

◆松本大輝(まつもと・ひろき)1999年(平11)3月29日、札幌市生まれ。北海道スポーツ専門学校在学中。札幌北栄中からバスケットボール部に所属し、現在も専門学校の同部で主将を務め、昨年は専門学校の全国大会に出場した。趣味は映画鑑賞、スニーカー探し。家族は母親と姉。182センチ、68キロ。血液型O。

 

◆ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト 女性向け月刊誌「JUNON」(主婦と生活社)主催の18~22歳の美男子コンテストでイケメン俳優の登竜門。北海道出身者では89年武田真治(札幌市出身)15年飯島寛騎(旭川市出身)がグランプリを獲得。主なグランプリ受賞者に01年小池徹平、06年溝端淳平らがいる。