正月放送の「ニンゲン観察 モニタリング」(TBS系)で、木村拓哉(46)が本音をのぞかせた。

ドッキリ企画で勝地涼(32)から「役者をやめたい。どんな役をやっても普通になっちゃうから」と相談を持ちかけられると、「自分だってやることなすこと、いろいろたたかれるから」と自身を例に挙げ、「何やっても『キムタク』だって言われる」と続けた。

やりとりは「つらいのはみんなつらい。つらくない人なんていないよ、絶対」と勝地を励ます言葉で一定の結論に至るのだが、「何をやっても-」のくだりには一種の割り切りと、「自分なりにいろんな役を演じているつもりなのに」という割り切れない思いが混じっているように聞こえた。

昨年の映画「検察側の罪人」では、共演の二宮和也(35)の方が映画各賞の候補に挙がるなど評価されている。確かに若手検事のいちずな正義感がひしひしと伝わってきたし、演技のキレは分かりやすい。比べて正義のためには手段を選ばない木村の先輩検事役は簡単には心中をのぞかせない。演技の優劣は見えにくいし、こちらの方が難易度は高かったと思う。

それでも随所にこの複雑な主人公の胸の内を垣間見せるアクセントは付いていた。それが「キムタク」という強烈な存在感に隠れがちだったのだのではないか。関係者と話していると、木村の方が難しいことにチャレンジし、きちんと演じ分けていると評価した人は少なくなかった。

転じて、18日公開の「マスカレード・ホテル」で演じる敏腕刑事は、ホテルマンになりすまして捜査するという設定。劇中外見は変化するが、キャラクターはこちらの方が分かりやすい。豪華共演陣の中でやっぱり主役はこの人、という存在感をしっかり放っている。やはり娯楽性の高い作品ほど「キムタク」であることが生きてくる。

何をやっても、何を言われても、やっぱりその存在感は代え難い。