電撃ネットワークのリーダー南部虎弾(67)が、5月16日に腎臓移植手術を受ける予定で、そのドナーが妻であることが28日、分かった。所属事務所によると、南部は同10日に都内の病院に入院する。4月29日に東京・新宿でライブパフォーマンス「新宿クレイジーナイト」を行い、病状などを自ら説明するという。

南部は5、6年前に糖尿病と診断された。「足が壊死(えし)状態になって」、また「左足切断かと思った」と語るほど深刻な状態だったが、専門医のおかげで最悪の事態は免れていた。当初は通院してインスリン注射をしていたが、面倒だからと投薬治療に切り替え、その後、糖尿病による骨髄炎を患った。17年には急性冠症候群による心不全で緊急入院し、8時間にも及ぶ心臓のバイパス手術を受けた。だが肝機能は悪化する一方で、主治医から人工透析は避けられないと言われていた。

南部は「電撃ネットワークの活動ができなくなる。パフォーマンスで全国を回れなくなる」と人工透析を拒否。何とかならないかと腎臓の専門医に相談すると「人工透析を拒むなら腎臓移植しかない」と提言された。しかも、その時点で肝臓機能が異常に低下しており、一刻も早い手術が必要と告げられた。

問題は腎臓の提供者。ドナーが見つからなかったらと悩む中、南部が家に帰って妻に病状を説明すると、「私のでよかったら」と言ってくれたという。妻の血液型はAで、南部はO。しかも南部は数万人の1人と言われるRHマイナス。半ば諦めて医師に相談したところ、検査結果次第では可能と言われ、何度も適合検査をやった上で手術可能という判断になったと言う。南部は「最悪の事態を女房が助けてくれました。感謝ですよね」「もう、ホッとしました。助かった」と妻に感謝した。

ただ、手術できるか最終的な決定は17年の心臓バイパス手術の状態次第。5月2日に結果が出る予定で、正式な手術は検査結果次第という。

南部は「平成最後をパフォーマンスで終わらせることが出来るだけでもよかった。しかし、まさか令和という新しい時代の始まりを腎臓移植からスタートするなんて思ってもなかった。でも、カミさんのためにも生き残り、またステージに帰ってきます」と意欲をみせているという。