北島三郎「仁義」、松前ひろ子「まさか」、三山ひろし「人恋酒場」などを手がけ、8月に死去した作曲家中村典正さん(享年83)の「お別れの会」が27日、都内で行われ、約500人が参列した。

中村さんは家庭を大切にして3人の子供を授かり、「僕はママ(松前)がいれば何もいらない」が口癖だった。

松前は「すごく優しくて、シャイな人でした」と人柄をしのんで、「『遅咲きだけど花は咲く。ママ、頑張れ』という主人が残した言葉を信じて頑張ります」と、二人三脚で歩んできた歌手活動の今後の飛躍を誓った。

中村さんの作曲家デビューは、63年の北島三郎「三郎太鼓」のB面「田舎へ帰れよ」だった。北島は「腹がいい、根性がいい人だった」と人柄を語り、「でもゴルフで負けると悔しがった。クラブで大地を思い切りたたいて『クソーッ』って言うんだ」と楽しいエピソードを披露。「血はつながっていないが、自分とは心がつながっていた。お師匠さん、弟、息子についで、今度は親友が旅立った。そろそろ私もいくと思うけど迎えに来ないでね」と話した。

三山は中村さんの次女と結婚している。「弟子として、付き人、かばん持ちとして勉強をさせてもらった。全てが財産です」と語った。

遺作は藤あや子が11月27日に発売する「ふたり道」。藤は「私が作詞をしてすばらしいメロディーを付けていただきました。一生懸命に歌って大ヒットするようにがんばります」と誓っていた。