欅坂46のセンター平手友梨奈(18)が23日、グループからの脱退を発表した。15年8月の結成以来、グループの顔として全シングルでセンターを務めてきた象徴的存在。AKB48や“姉貴分”の乃木坂46とはまた違う独自の世界観を作り上げた功績者だけに、衝撃は大きい。

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平手のストイックさは、欅坂46の中でも特に異質なものだった。欅坂46にしか表現できないような、独自の世界観やパフォーマンスを追求し続けた。

デビュー1年目の16年12月。東京・有明コロシアムで初の単独ライブを開催し、2日間で1万8000人を動員。月末にはNHK紅白歌合戦にも初出場した。翌17年の1月は、7日の初詣までオフだった。当時15歳。つかの間の正月休みを楽しんでもいい年頃だが、平手は、スタッフに頼んで有明ライブの映像が入ったDVDを譲り受け、すり切れるほど何度も何度も見返していた。

オフが明ける前にスタッフに電話をした。「ここが良くなかった」「もっと改善したい」「今度はこんなことをしたらいいんじゃないか」。早口で思いの丈を伝えた。充実のデビュー年を終えても、全く満足していなかった。

パフォーマンスで全力を出し尽くし、体調が安定しないことや、けがをしてしまうこともあった。全てはストイックさゆえだった。【横山慧】