自宅で合成麻薬MDMAやLSDなどの薬物を所持したとして、麻薬取締法違反(所持)の罪に問われた女優沢尻エリカ被告(33)の初公判が31日、東京地裁で開かれた。公判で検察側は、沢尻被告が19歳ごろから違法薬物を使用していたと指摘した。

沢尻被告は1986年4月生まれで、2005年4月に19歳になった。19歳だった05年10月期には、初主演連続ドラマとなるフジテレビ系「1リットルの涙」が放送されている。

同ドラマで沢尻被告は難病と闘う少女を熱演して感動をよんだ。05年はこのほか、まだ18歳だった時期の1月に、沢尻被告の出世作ともいえる映画「パッチギ!」(井筒和幸監督)も公開。「1リットルの涙」とともに演技力が評価され、「エランドール賞」新人賞や「ゴールデン・アロー賞」新人賞を獲得した。「パッチギ!」単体でも数々の映画賞で新人賞をとり、人気女優として一気に駆け上がった、忘れられない年でもあった。

薬物に詳しい捜査関係者は「19歳から違法薬物を使っていたのが事実とすれば、女優として瞬く間にスターの階段をのぼっていく一方で、不安のような感情やむなしさも増大させており、それを解消するために複数のクスリに手を出してしまった可能性も推察できる。同様のパターンで違法薬物に染まる芸能人も過去、何人かいたと聞いている」と分析した。