第92回アカデミー賞授賞式が9日に米ハリウッドのドルビー・シアターで行われ、韓国の「パラサイト 半地下の家族」が、外国語の映画として史上初となる作品賞に輝き、最多4冠を達する快挙を成し遂げた。

ポン・ジュノ監督は監督賞、脚本賞を受賞した他、国際長編映画賞(旧外国語映画賞)も受賞。同一作品が作品賞と国際長編映画賞を同時受賞するのは初めてで、アルフォンソ・キュアロン監督のネットフリックス映画「ROMA・ローマ」が昨年成し遂げられなかった歴史的快挙となった。下馬評では「1917 命をかけた伝令」が優勢と見られていただけに、監督賞を受賞したジュノ監督は「国際長編映画賞の受賞で、今日の出番はもう終わりだと思っていた」とスピーチ。そして作品賞も受賞すると出演者やプロデューサーら全員で壇上し、歴史的快挙を喜んだ。「1917 命をかけた伝令」は撮影賞や視覚効果賞など3部門を受賞した。

一方、「ジョーカー」で主演男優賞を初受賞したホアキン・フェニックスは、「私たちは自然界に対してあまりに無関心」とスピーチし、人種差別や男女格差、動物愛護、環境問題など現代人が抱える様々な問題点に言及。主演女優賞には「ジュディ 虹の彼方に」のレニー・ゼルウィガーが輝き、「コールドマウンテン」(02年)の助演女優賞に次ぐ2度目のオスカー受賞となった。また、日本人メイクアップアーティストのカズ・ヒロ(辻一弘)が、「スキャンダル」で18年以来2年ぶり、2度目のメーキャップ賞を受賞した。(ロサンゼルス=千歳香奈子)