タレントの志村けんさん(享年70)の訃報に、お笑いの聖地でもある大阪・なんばでは驚きが広がった。

30日、新型コロナウイルスの影響で劇場公演を中止しているなんばグランド花月の前は、人通りがまばらだった。

30代女性は「小さいときから親の影響でドリフを見ていて、亡くなったと聞いてショックでした。ウルってきました。志村どうぶつ園も大好きでした」と話した。

普段は外出を避けて自宅にいるという70代女性は、予防のためマスクにビニール手袋、カッパなど完全防備で外出。お笑いが好きでテレビでもよく見ていたといい「友達から電話で聞いてまさかと思いました。いつか元気になられると思っていました。『8時だヨ!全員集合』も楽しみにしていました。花を手向けに行きたいけど、東京なので手を合わせたいと思います」と語った。

夏に舞台「志村魂」を上演する予定だった新歌舞伎座前では、看護師の60代女性が訃報を聞いて「えーっと思った。子供から大人までみんなを楽しませてくれていた。(重症化するのは)心臓とか他の病気を持っている人だけじゃない。そうじゃないと思った方がいい」と警鐘を鳴らした。

訃報を聞いて外出時でもマスクを使用し始めたという40代男性は「外国で(感染者が)何万人とか聞いてもピンとこなかった。志村さんの訃報は(コロナについて)真剣に考えないといけないと教えてくれた。恐ろしい病気だと思う。マスクをしないといけないところではマスクをしていたが、今日からずっとするようになった。大丈夫じゃないかと思っていたけど、大丈夫じゃない」と予防の大切さを改めて認識していた。

新歌舞伎座の担当者は「劇場も報道で知りました。非常に残念です」と話した。【南谷竜則】