俳優坂口拓(45)が5日、都内で、主演映画「狂武蔵(くるいむさし)」(下村勇二監督、21日公開)完成披露無観客イベントに出席した。

同作は映画監督園子温氏の原案協力のもと、宮本武蔵と吉岡門下生との戦いを描いた作品。撮影自体は11年12月で、実に9年もの年月を経ての公開となる。坂口演じる宮本武蔵が、77分のワンカットで588人を切り倒す前代未聞の殺陣が話題となっている。

9年間眠っていた作品の復活に感謝した。「本当に周りの人のおかげです。(撮影自体)自分のわがままでしたし、公開できたのもみんな周りの人のおかげ。感謝しかない。感謝の作品です」と頭を下げた。

かつて誰も挑んだことがない77分ワンカットの殺陣を「開始5分で指の骨が折れ、体力もなくなった。終わったら肋骨(ろっこつ)も折れていて、奥歯も崩れ落ちた」と当時を振り返った。

登録者数22万人超のYouTube「狂武蔵たくちゃんねる」では“ウェイブ”を駆使した格闘術を披露している。77分ワンカット撮影時はウェイブをマスターしていなかった。だが19年3月の追加撮影シーンではウェイブを駆使。全く違った殺陣を披露している。

「アクション俳優として、身体を使ったものとして侍を表現していきたい。本作はその序章です」と次回作をにおわせつつ、「見ていただければきっと何かを感じると思います。こういう時代だからこそ見てほしい」とアピールした。

この日、山崎賢人、下村勇二監督も登壇。山崎と坂口は映画「キングダム」で共演。山崎は「1分くらいの殺陣でしたが“闘う”ということを感じた」という。「自分が力になれるならやりたいと思った」と出演経緯を話すと、下村監督は「飲みの席からマネジャーに自分から連絡してくれた」と明かした。