乃木坂46の3期生12人が、9月に加入4周年を迎えた。4年が経過しても、同期の12人が1人も欠けずに在籍している。アイドル界を見渡しても、非常に珍しい“定着率”の高さだ。個性的なメンバーたちの「競争心」が、要因の1つかもしれない。

16年夏に行われた3期生オーディションの応募総数は4万8986人。12人は倍率4000倍以上の狭き門をくぐり抜けた。久保史緒里(19)は「あの場にいた12人が4年たっても全員いるなんて、誰も想像してなかったですよね」と笑顔で振り返る。

17年8月のシングル「逃げ水」でダブルセンターに抜てきされた大園桃子(21)与田祐希(20)はじめ、3期生には個性的なメンバーがそろっている。久保は「それぞれ、色が全く違うんですよね。おのおのが自由に、『外に、外に』って感じです」と話す。

3期生加入約半年後の17年2月、初公演となった舞台「3人のプリンシパル」については、今でもメンバー間でよく話題になるという。第1幕に登場した12人が自己アピールなどを行い、観客の投票によって後半の第2幕に出演する3人が決まる、過酷な舞台だった。久保は「バチバチしていましたね」と笑い、「でも、それが逆に良かったのかもしれないね、って今でもよく話しています」と明かした。

中には選抜に定着し、グループトップクラスの人気を誇るメンバーもいる。テレビ番組のレギュラーやドラマ、映画、舞台など、グループ外でソロで活躍するメンバーも増えてきた。久保は「4年たって、それぞれのやりたいこととか、強みとかが分かってきた部分があります」と話した上で、「でも、『3期生のみんなでいる時間が一番ホーム感があるよね』っていう思いが12人全員にあるんです。だから、みんな個性は違うんですけど、12人でいることを選んでいるのかもしれません」と推測した。

個性豊かなメンバーが多いゆえに、久保は「時には、ファンの方から不安定な期だと心配されることもあると思うんです」と言う。

「3期生は、徒競走に近いイメージなんです。それぞれがバトンを持って走っている。でも、一緒に走っているんです」

17年8月、日刊スポーツの取材で、山下美月(21)との同期対談に臨んだ久保は「3期生の他のメンバーはもちろん仲間ですけど、『友達』という風には見ていないんです。友達だったら、みんなで手をつないで、一緒に並んでゴールすればいいじゃないですか。でも、そういうものじゃないと思う」と話していた。山下も強く同意していた。

抜きつ、抜かれつ、時にはスパートをかけたり、転んだりしながら、それぞれのスタイルで4年間を“完走”してきた。個性的な12人の切磋琢磨(せっさたくま)が、日本を代表するアイドルグループをより一層の高みへと推し進める。【横山慧】