落語家春風亭小朝(65)がNHK大河ドラマ「麒麟がくる」に出演する。大河ドラマは「篤姫」「軍師官兵衛」に続いて3作目。今回は、坂東玉三郎演じる正親町天皇の弟で天台宗のトップに登りつめ信長と対立する僧侶、覚恕(かくじょ)を演じるもので、登場は11月下旬の予定。

「特殊メークも僧侶の役も初体験なので新鮮な気持ちで演じることができました。美男の兄にコンプレックスを抱き嫉妬する悲しさや、寺を焼いた信長に対する怒りを表現したつもりなので、歴史の裏側をのぞくつもりでお楽しみいただければ」と抱負を語った。

「軍師官兵衛」で明智光秀を演じたが、光秀役の長谷川博己を相手に芝居をしながら、本当の光秀に会えた気がしたそうだ。

「初めてお目にかかった時、厳しい表情であいさつされたので『おやッ』と思いましたが、二人のシーンが終わった後は優しい感じに。敵対する者に対する気持ちをつくっていたのではないでしょうか。5分近い僕の長ぜりふを平伏したままで光秀が聞いているんですが、カメラの位置を変えて何度も撮る度、自分が映らなくてもずっと平伏をして雰囲気をつくってくれた長谷川さんに感謝です。ハードスケジュールでお疲れなのにありがたいことです」。

特殊メークについては「昔はカツラをつくるのに型をとって時間がかかりましたが、今はミッションインポッシブルの世界。頭のまわりを2周スキャンしているうちにモニターに形が映し出されてアッという間に完成。本番前に1時間かけて3人がかりでメークしますが、出来上がった後、しばらくすると自分の頭がもともとこうだったのかと思うほど見事です。4Kのしかも大型画面でもカツラだとわからない技術に驚いてください」と話した。【林尚之】