複数の女性との不倫を報じられて活動自粛中だったお笑いコンビ、アンジャッシュの渡部建(48)が3日、都内で、騒動発覚から177日ぶりに会見し、1時間40分にわたって自ら説明・謝罪した。大みそかの日本テレビ系「ガキの使いやあらへんで!」特番を先月18日に収録済みと報じられたことを受けての会見。収録の有無については言葉を濁し、約200人集まった取材陣からフルボッコにされた。ネット上でも批判が殺到。大みそかどころか、仕事復帰自体の見通しがつかなくなった。

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渡部がやっと会見した。約半年に及ぶ“逃亡生活”から姿を現し、生の声で騒動について説明した。だが、あまりにも遅すぎた。そもそも、いろいろな順番が間違っていた。

今回の騒動の始まりは6月9日。渡部が出演番組の全てを自粛することをテレビ各局に申し入れた。やがて“文春砲”に女性問題を報じられると明らかになり、謝罪どころか、姿を見せなかったことで騒動は一層大きくなってしまった。

今回の会見も、大みそかの日本テレビ系「ガキの使い」の収録に参加したことが報じられた故の“泥縄感”がぬぐえない。だが、この日の会場に事務所関係者は2人だけ。会見の3時間前に取材陣に整理券を配ったが、それまで対応する人間が不在で、ベテランカメラマンが来た順に名刺を受け取って整理していた。復帰へ向けた謝罪会見としてはお粗末すぎる準備。肝心の会見も想定問答をしっかりしたとは思えず、さらに渡部の“商品価値”を下げてしまった。

野球芸人としても活躍していた渡部。騒動前の5月19日に夏の甲子園中止が決まった時、記者の取材に忙しい中で応じてくれ、球児に「どう励ましていいか言葉が見つからない」と思いやっていた。個人的にアンジャッシュの「すれ違いコント」は、新しい笑いが次々と生まれる中でも、その完成度・独創性ともに際立っていると思っている。相方の児嶋一哉と一からやり直して、また笑わせてほしい。【小谷野俊哉】