3期12年にわたり千葉県知事を務めたタレント森田健作(71)をこのほど、取材した。

つい先日までの表記は森田知事。芸能界に復帰したということで、敬称は略するということで、原稿上では森田健作になっている。

森田は大手芸能事務所サンミュージックのタレント第1号。森田のために作られた事務所でもある。ということもあり、千葉県知事を退任した後は、同社の最高顧問に就任した。

サンミュージックといえば今月1日付で、お笑いコンビ、ブッチャーブラザーズのリッキーこと岡博之(62)が副社長に就任したことでも話題となった。

ブッチャーブラザーズは、リッキーとぶっちゃあ(58)の2人組。もちろん現役のコンビでもあるが、2人ともお笑い部門の裏方を務めている。

実は同社のお笑いの歴史は古い。80年ごろからブッチャーブラザーズは活動を開始。当時としては珍しいお笑いライブを開催したのも同社だった。お笑い芸人が出演する寄席はもちろん東京にもあったが、お笑いだけをやるライブという公演はなかった。

だが、同社から売れっ子のお笑いタレントはなかなか出ず、お笑い部門は自然消滅してしまう。仕方なく、リッキーはお笑い事務所の人力舎に移る。そこで、アンジャッシュ、アンタッチャブル、ドランクドラゴンらを見いだし、育ててきた。

そんなリッキーに、再びサンミュージックに戻ってきてもらったのが、2代目の現社長だ。今度は「どんなことがあっても5年間は我慢すること」という条件でリッキーは復帰。ぶっちゃあとともに、見事、5年半でダンディ坂野をブレークさせた。その後は、カンニング竹山、ヒロシ、小島よしお、スギちゃん、メイプル超合金らを輩出しているのは誰もが知るところだ。

そのリッキーとぶっちゃあは、若いころ、森田の付き人を務めていた。その関係は今でも続いている。例えば、森田が千葉県内の自宅で関係者を呼んでガーデンパーティーをするときには、裏方として真っ先に駆けつける。料理をつくり、サーブし、ホスト側としてかいがいしく動く。余興の時間になれば、ぶっちゃあが得意のギターでパフォーマンスを披露。ただ、2人の漫才を見たことはなかったが…。

森田は今月6日、最高顧問に就任した際、社員を前にあいさつしたという。「コロナ禍でも頑張れば必ず報われる。努力すれば、副社長にもなれるんだ」とエールを送った。

おそらく、また森田がパーティーを開く際には、リッキーとぶっちゃあが駆けつけると思う。こんなところにも、サンミュージックのアットホームさがうかがえる。【竹村章】