吉永小百合(76)が22日、東京・丸の内TOEIで行われた主演映画「いのちの停車場」(成島出監督)公開記念舞台あいさつで、3度目の緊急事態宣言下で東京、大阪で映画館が営業していない中、公開に踏み切った思いを切々と訴えた。

全国259館でライブビューイング、配信が行われ、吉永は「緊急事態宣言が延長され、映画は休業要請が出てしまった。演劇は良いけれど映画はダメと伺って、大変ショックを受けましたし残念でした。くじけそうになりましたし…」と、映画人として、映画館に休業要請が出されていることへの、やるせない思いを吐露した。

本来、観客がいて然るべきの丸の内TOEIの客席には、観客はおらず取材に足を運んだ取材陣しかいない。吉永は「でも全国の皆さまの前で、ごあいさつできるのは、ここにお客さまがいらっしゃらないからと思って、気持ちを取り直しております」と語り、観客がいなかったからこそ、配信という手段を取って全国のファンに舞台あいさつが出来たことを前向きに捉えた。

吉永は劇中で、大学病院の救命救急医だったが、とある事情で石川県の実家へ戻り、在宅医療を行う「まほろば診療所」に勤務する白石咲和子を演じた。自身、122本目の映画で初めての医師役だった。吉永はコロナ禍の中での映画製作を振り返り「20年の初めに準備を始め9、10月に撮影しました。大変な中ですけど、昼も夜も撮影が終わったら、お弁当を食べて頑張ってくださいました。心を合わせて完成しました」と感慨深げに語った。

緊急事態宣言は、31日の期限が延長される可能性も取りざたされている。吉永は「きっと…きっと、日本中の皆さんに、映画をご覧頂けると思っております。本日は、本当にありがとうございます」と口にした。その上で「医療関係の皆さんに温かいサポート、教えていただいたり感想を頂いた。大変な中、力を貸していただいて感謝しています。マスコミの皆さまも、温かい記事を書いていただき、ありがとうございます」と感謝した。