歌舞伎俳優市川中車(55)が8日、都内で、「七月大歌舞伎」(同4~29日、東京・歌舞伎座)で出演する「あんまと泥棒」「蜘蛛の絲宿直噺(くものいとおよづめばなし)」の取材会を行った。

12年6月に9代目中車を襲名して丸9年たち、10年目に突入した。

中車は「苦しかったり、迷ったりすることは前より増えています」としながら、歌舞伎での初舞台を振り返りながら「俺は生きていると初めて思った。その実感は9年たった今でも変わっていない」と語った。

「あんま-」の秀の市は4回目、「蜘蛛の絲-」の渡辺綱は初役。

歌舞伎座では総客席数の50%を上限にしての公演が続いている。中車は「何があっても粛々とやることをやる。元に戻すためにも、しっかり務めなければらない」と気を引き締めていた。