女優で映画監督の小川紗良(25)が8日、都内で、監督作「海辺の金魚」(25日公開)完成披露舞台あいさつに、主演の小川未祐(20)らと出席した。

女優業のかたわら映画監督としても活動する小川にとって、初の長編作。児童養護施設で暮らす花(小川)と8歳の少女・晴海の心の交流を描く作品で、主演の未祐とは学生時代に監督した短編作品「最期の星」で出会い、今作で再びのタッグとなった。

小川監督は「りんとしていて目力が強くて、元気が出る印象がありました」と当時の印象を語ると、「(今作を)撮った時は等身大の18歳。大人と子どものはざまで葛藤を抱えている時で、出会った頃とは違うアンバランスさの魅力があった。そこを映画の中で描けたらいいなと思った」。未祐は「演じていたというよりも、自分が経験した記憶として残っている。あの時間がこんなふうに切り取られて、物語になって、映像になって、映画館で見られることは奇跡だなと。自分が映画を好きな理由がわかった気がして、その時間をこの映画で過ごせてよかった」と振り返った。

小川監督は早大時代、是枝裕和監督に映画作りを学び、今作でも「息詰まった時に1度脚本を見ていただいて、細かいせりふやシーンを削った方がいいとアドバイスをいただきました」と同氏に感謝。キャストに迎えた子どもたちの奔放さに手を焼きながらも「予定調和ではないことを繰り広げてくれたので、それをどうフィクションで切り取るかを考えていました」と語った。

イベントでは、この日25歳の誕生日を迎えた小川監督をサプライズで祝福した。2年前の同日は撮影地となった鹿児島・阿久根市内で子役オーディションに向けた決起会をしており「あれからもう2年たったのかと、25歳の節目でしみじみ思います」。また「自分の誕生日に完成披露は出しゃばっているようで恥ずかしいですが、キャストもそろってお披露目に立てたのが本当にうれしいです」と笑みを浮かべた。

福崎那由他(19)も登壇した。