女優としても活動する小川紗良監督(25)の商業映画デビュー作「海辺の金魚」が25日、初日を迎え、東京・新宿シネマカリテで舞台あいさつを行った。主演小川未祐(20)、芹沢興人(40)とともに見どころを語った。

小川監督は、早大で是枝裕和監督の薫陶を受け、女優としてもNHK連続テレビ小説「まんぷく」(19年)で主人公夫婦の娘役を演じるなど高い評価を受けている。作品では、身寄りのない子どもたちが暮らす家の少女たちの成長をオリジナルで描いた。

撮影は2年前。小川監督は「撮影の打ち上げでは、魂が抜けたような、夢見るような多幸感に包まれました。これから完成させて上映するぞと思ったら世の中がコロナになって、上映まで波がありましたが、またこうして公開を迎えたことが夢のような気持ち。映画はお客さんに見てもらってこそのもの。皆さんの奇跡的な力でできた作品なのでよろしくお願いします」と話した。

主演の小川未祐は、子どもたちとの撮影について「子どもたちが教えてくれる小さなことに感動したり、優しさをたくさん受け取った。それが映画の力になっている」。また「紗良さんとの会話の中で始まった作品」として思い入れを語り「思い返すといろんな人が守ってくれた作品。削られたり付け加えられたりんがなく、(構想時の)温度感がそのまま保たれてスクリーンに映っているので、肌で感じてほしい」とした。

芹沢は「1人の監督のデビュー作は人生に1回。その初日に立ち会えて幸せです。小川さんと監督でなければたどり着けない美しいものが映っている」と話した。