「じんかん」や「八本目の槍」「童の神」などで知られる時代小説作家・今村翔吾氏(37)が2日、TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食/一直線」(月~金曜午前5時)にゲスト出演した。

近江の国・大津城を舞台に、石垣職人“穴太衆”と鉄砲職人“国友衆”の宿命の対決を描く究極のエンターテインメント戦国小説「塞王(さいおう)の楯」(集英社)を先月月26日に出版した。

パーソナリティーの生島ヒロシ(70)から「私も一気に読ませていただきましたが、最後のバトルが絵に浮かんで‥。これは創作ではなく、事実に基づいていたんですか?」と聞かれた今村氏は「これは事実です」とキッパリ。

さらに生島が「そういうところに今まで、誰か着目した人はいたんですか」と尋ねると、「いや、ほとんど今までなかったと思いますし、静かな職人の小説はあるかも知れませんが、“動”の石垣の職人の小説というのは多分、初めてだと思います」と答えた。

そんな今村氏だが、実は書店経営に乗り出していたことが明らかになった。1967年(昭42)創業の大阪・箕面市の阪急電鉄箕面駅前にある「きのしたブックセンター」のオーナーに1日に就任した。

出版不況、全国的に書店の倒産が相次ぐ中、今村氏が知人から「引き継いてでくれる人を探している本屋がある」と相談を受けたのは今春だった。

「本が私の人生を変えてくれたので、少しでも恩返しをしたい。特に年配のお客様の中には、ネットで本を買う慣習かがなく、またその方法を知らない方も多いため、本屋という存在をなくしてはならない」と、1日のリニューアルオープンを迎えた。