坂東玉三郎が「十二月大歌舞伎」(12月1~26日、東京・歌舞伎座)で、「信濃路紅葉鬼揃」に出演する。10日、都内で取材会を行った。

通りかかった武将を紅葉狩りに誘う女たちが実は鬼女だった-という新作舞踊劇。07年に歌舞伎座で初演され、08年京都南座で再演。今回は13年ぶりの上演になる。玉三郎は「けっこう忘れてて大変です」と言い「(今月)5日から稽古を始めています。丁寧にお稽古をしたものじゃないと幕が開けられない」と話した。

「実はもうやらないかもと思っていた」という同演目。中啓(ちゅうけい)と呼ばれる扇の一種も、使用する6本のうちいくつかは人にあげてしまったそうで「慌てて注文しました」と笑った。

今年は歌舞伎座での「桜姫東文章」「東海道四谷怪談」などで満員が続いた。玉三郎は「自分なりに精いっぱいやった年でした」と振り返った。