YouTubeを中心に活躍するポップスピアニストのハラミちゃん(年齢非公表)が4日、念願の日本武道館公演を開催した。

ライブのタイトルは「STREET PIANO in 日本武道館~ハラミちゃん947日目のキセキ~」。947日は、19年6月3日に東京都庁のストリートピアノでRADWIMPSの「前前前世」を演奏した日からの日数だ。

公演前に取材に応じたハラミちゃんは「本当に私はラッキーガールだと思います。コロナ禍で家にいる時間が増え、ピアノ演奏が広がり、そんな掛け算でファンの方を呼んでいると思います。ありがたいし、私のために来ていただけるのが信じられません」と話した。

4歳でピアノを始め、夢はピアニスト。音楽大学に進んだが、卒業後は一般企業に就職した。そんなOL時代に出会ったのがストリートピアノだ。絶対音感、即興演奏の特技をいかし、全国各地のストリートピアノでファンからのリクエストに応える動画をYouTubeにアップ。話題を呼び人気が急上昇。登録者は約191万人、動画の総再生回数は4・4億回に達した。「ピアニストになりたかったが、1度は諦めた。急がば回れじゃないけど、ご褒美がまっていました。いろんな人に導かれると思うし、感謝しないといけないと思います」。

ハラミちゃんが学生時代だった19年、ピアニストの清塚信也が、武道館で「KENBANまつり」を開催。日本人男性クラシック・ピアニストとしては史上初の武道館単独公演として話題となった。ハラミちゃんは「清塚さんの武道館公演のポスターを見て、すごいなと思いました。ピアノ1台で1人で武道館でやる日本人がいるんだ。かっこいいな~と憧れました」。

この日は昼夜2公演開催。ハラミちゃんは「武道館にきちゃいました。客席が埋まらない夢を見て不安でしたけど、こんな景色が待っているとは。忙しい中、来てくれてありがとう」とあいさつした。オリジナル曲の「ファンファーレ」や、ストリートピアノでリクエストされた楽曲を中心に24曲を披露。夜の部では、広瀬香美がサプライズ出演し「ロマンスの神様」を歌唱したほか、4月からの全国ツアーも発表された。【竹村章】

 

◆ハラミちゃん 19年6月からハラミちゃんとして活動スタート。名前の由来は焼き肉が大好物で、最も頼むのがハラミ。ちなみにファンはお米ちゃん。YouTubeで人気が上がり、20年7月に発売した初アルバム「ハラミ定食」はビルボード週間アルバムランキング1位。20~21年にかけて、全国ツアー22公演を開催した。