秋山ゆずき(28)が12日、埼玉県川口市のイオンシネマ川口で行われた映画「ロード・オブ・ONARI~未来につなぐ想い~」(酒井善史監督)試写会に登壇し、生まれ故郷に錦を飾った。

壇上で「この映画を撮影させていただいた時に、川口市の魅力って、こんなにいっぱいあったんだなと思って。映像化され、1つになった時、見終わってホッコリした気持ちになったのと、人と人が助け合う温かさを改めて感じた」と感慨深げに語った。

秋山は劇中で、川口市役所の産業振興課職員・藤枝美咲を演じた。川口市発展のルーツ「御成道」からタイムスリップして現代に現れた、津田寛治(56)演じる江戸幕府三代将軍・徳川家光が、江戸時代に戻るのを手助けする役どころだ。

秋山は、自分が考える未来というお題で文字を書くよう求められ、色紙に「歩(あゆむ)」としたためた。その上で「去年、一昨年とコロナ禍になって、なかなか外に出られない時期が続いておりまして。胸を張って外に行けない日が続いているけれど、時は止まることなく流れているので、その中で外に出る以外でも、自分の中で歩むことをやめないで、止まってもいいけど続ける、というのを私の目標と思っていたことを書いてみました」と熱っぽく語った。

司会の南美希子アナウンサーから「哲学的なコメント」と称賛され、場内は拍手に包まれた。ところが、家光の江戸帰還にともに挑む、竹中直人(65)演じる現代の錫杖(しゃくじょう)寺の住職の娘・萌役の朝井瞳子(22)から「さっき(色紙に縁と)書いていたら、ゆずきさんに『緑?』って言われちゃって」と暴露されると場内は一転、笑いに包まれた。秋山は「やめてよ、ここで言うの」と苦笑した。

試写会後、開かれた会見の席上で、秋山は思い出がある場所について聞かれ、川口オートと即答した。その上で「オートレース場で毎年、夏に花火大会があって、その時、解放して中でお祭りの食べものが売っていたり、子供達が走り回る場になっていた。何年かぶりに行った時、父と母に連れてきてもらって、ここで花火、見てたなぁなんて思い出が、よみがえってきた」と目を輝かせた。

「ロード・オブ・ONARI~未来につなぐ想い~」は、川口市経済部産業振興課内にある「川口宿 鳩ケ谷宿 日光御成道まつり実行委員会」が製作した短編映画。将軍家光が日光東照宮へ向かう「御成道」を訪れ、つけ物が塩辛いと文句を言った次の瞬間、現代へタイムスリップしてしまう。家光は戸惑いつつも、現代にも存在する錫杖(しゃくじょう)寺の住職から代々、伝わる巻物を渡され、住職の娘・萌とともに川口市内を歩き江戸時代に戻るためのカギを探す。その中で、現代の川口市の人々と触れ合い、熱い友情が芽生え、その協力を得て「御成道」の伝説を追う物語。同市内で試写会が開かれているほか、17日からYouTubeで無料配信される。