2016年に急死した歌手プリンスさんの遺産総額が、1億5640万ドル(約172億400万円)と評価されたことが明らかになった。米バラエティ誌が伝えたもので、遺産を巡る6年間にわたる訴訟が終結し、来月にも財産分与が進められる可能性が出てきたという。薬物の過剰摂取によって亡くなったプリンスさんは遺言を残しておらず、未婚で子どもがいないため、兄弟と異父母兄弟6人が相続人に名を連ねていた。

報道によると、遺産を管理しているコメリカ・バンク&トラストとアメリカ合衆国内国際入庁(IRS)が、プリンスさんの遺産を1億5600万ドルと評価することで合意し、相続人もこれを受け入れたという。コメリカによる査定額は8230万ドルだったが、相続人はこれを不服としてして法廷論争が続いていた。IRSは昨年、2倍近い1億6320万ドルと試算していた。6人いた兄弟のうち2人はプリンスさんの死後に他界しており、存命する兄弟3人の弁護士は米ミネソタ州カーバー郡地方裁判所で行われた公聴会で「長い6年だった」とコメントしている。

遺産はプリンスさんの年少の兄弟3人の取り分の大部分を買い取った音楽出版社プライマリー・ウェーヴと年長の兄弟3人、もしくはその家族によって等しく分配されることになる。プリンスさんの死後、45人以上の人々が相続人として名乗りを上げる事態となったが、最終的に裁判所が兄弟6人を相続人として認定していた。(ロサンゼルス=千歳香奈子)