歌手氷川きよし(44)が27日、全国コンサートツアー「歩き続ける歌の道」の初日公演を、東京・JCOMホール八王子で行った。今月21日に来年以降の無期限休養を発表後、初のステージ。羽織はかま姿や舞踏会ふうの豪華ドレス、レザーのピチピチ系パンクファッションなど変幻自在な衣装で全25曲を熱唱した。

氷川は「ずっと走り続けてきて今年はもう45歳。休むことなくやってきたので、ここで自分の時間をつくらせてもらえたらありがたい」と切り出した。そして「1歩外に出ると氷川きよしだと指さされる。顔を知ってもらいヒットチャートに入るけど、犠牲にするものも多い。感謝の気持ちもあるけど、そこから離れたいと思いました」と心情を吐露した。

休養後の復帰については明言しなかったが「みなさんに喜んでもらえるならどこにでも行きます」と語ると、観客からは、声援を送れない代わりに、大きな拍手がわき上がった。

トークでは「自分の思いを我慢して生きるのではなく、自分らしく生きられることが大切」などと話した。さらに「才能や個性を生かすことが大切」「人柄や人間性が大事」などと思いも述べた。「歌で誰かのために生きる力になりたい」とも語っており、会場のファンは復帰を信じているようだった。

氷川は25日、インスタグラムで「来年からリフレッシュのためお休みを頂く事に致しました」と休養を報告していた。来月1日新曲「群青の弦(いと)」を発売。4月末まで全国ツアーを続け、6月の東京・明治座を皮切りに9月まで、大阪・福岡・名古屋で座長公演を開催。再び全国ツアーを再開し、出場可能性が高い大みそかの「NHK紅白歌合戦」まで走り続ける。

○…無期限休養に、公演を見たファンもショックを隠せなかった。横浜市の80代女性は「これからどうすればいいの。歌ってほしい。ファンになって友だちもできた。年寄りの楽しみを奪われたくありません」。千葉県の60代女性は「ショックだけど待っています。きよしくんのやりたいことイコール、私たちが見たいこと。演歌でもポップスでもきよしくんが大好き」。神奈川県の70代女性は「きっと歌いたいと思うようになると思う」と復帰を期待した。