ロシアのウクライナ侵攻を受け、ディズニーが2月28日、ロシアでの映画の劇場公開を一時停止すると発表した。

マーベル・スタジオやピクサー、20世紀フォックスなどを傘下に持つディズニーは、「ロシアのウクライナへの挑発的な侵攻と悲劇的な人道危機を踏まえ、ピクサーの新作「私ときどきレッサーパンダ」を含めロシアでの劇場映画の公開を一時停止する」と声明を発表した。

ハリウッドの大手スタジオではロシアでの劇場公開停止を表明したのはディズニーが初となったが、その数時間後にワーナー・ブラザースも6日から公開予定だった「THE BATMANーザ・バットマンー」の公開を一時停止することを発表。ソニー・ピクチャーズエンターテイメントも追随し、新作「モービウス」のロシアでの劇場公開停止を決めたと伝えられている。

ロシアはハリウッドにとって重要な市場であり、2021年のロシア国内での興行収入は世界全体のおよそ2・8%にあたる6億100万ドル(約671億円)だったと伝えられている。

今後の情勢次第では、「ソニック・ザ・ムービー/ソニックVSナックルズ」の公開を4月8日に控えるパラマウント・ピクチャーズもメジャースタジオ3社に追随する可能性も出ている。

一方、配信サービス業界でも「10万人以上の契約者を有する配信サービスは、ロシアの国営メディアの番組を配信しなければならない」という規則を1日から導入することに対し、ネットフリックスはウクライナ侵攻を理由にこれを拒否している。(ロサンゼルス=千歳香奈子)